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第2章 手さぐりですす

 NIFTY-ServeのFSHIPでLMSさんが発表された『シロクマ号となぞの鳥』(1964.5.30第2刷)とアーサー・ランサム全集第12巻『シロクマ号となぞの鳥』(1999.6.7第19刷)を元に、次の比較一覧にまとめたものです。  英語版への参照にはPuffin BooksのGreat Northern?, impression of 1973を使いました。
 修正の表記については、真鵺道によりました。
2001. 2.16 高橋誠
変更 内容 英語表記
内容
28 29 [かじ/かじ]をにぎっているジョンは、[全生命ぜんせいめい/じぶんのいのち]が、 29 as if his life
[羅針儀らしんぎ/コンパス]をにらんでいた。
機関室きかんしつ[昇降口しょうこうぐち/ハッチ] The hatch over the engine room
[帆柱ほばしら/マスト]のてっぺんにある
[羅針儀らしんぎ/コンパス]をちらりとのぞき
だれか[墻頭横材しょうとうよこざい/クロストリーズ]にのぼってくれ
[て/手]つだってもらうし
ほかの[ひと/人]たちは
29 30 [エンジン/機関きかん]をとめて、船尾せんび[行/い]けるようにしとけよ。
[おお/][いそ/いそ]ぎで船内せんないへいって
かんを[/も]ってきてくれ
右舷うげん[横静索よこせいさく/シュラウズ]のところにいる
一ひろ[/(1)]ごとに
30 31 ティティは前部ぜんぶ[甲板かんぱん/ハッチ][昇降口しょうこうぐち/はしご]からではなく、後部こうぶ[甲板かんぱん/ハッチ][昇降口しょうこうぐち/階段かいだん]から甲板かんぱんにあがってきた。 Titty came up through the companion instead of through the forehatch
前部ぜんぶ[甲板かんぱん昇降口しょうこうぐち/ハッチ]
ならべてあるくさりがすぐに[綱道つなみち/フェアリード(2)]をすべり出せるように
[帆柱ほばしら/マスト]のそばにうずくまった。
海へ出たのは[、今度こんど/こんど]がはじめてだった。 30
ほかの[ひと/人]たちのじゃまにならないようにしていて
だれかが[あのふたりにやらせようと、命令めいれいを出したら/なにかをやらせてみたらと考えたとき、すぐ命令めいれいに]したがえるようっている以外いがい and to be ready to obey orders in case anybody should think it worth while to give them any
[/水中の]つな[海中かいちゆうに/]上下させている。 Again she was dipping, dipping.
32 [突然とつぜん/とつぜん]、カモメがするどい声で
31 なにかをゆびですくいと[り、それを/って] scoop something out of the tin with her fingers and poke it into the hole
またつなをたぐって[はま/] coiling as she hauled,
すぐにつかんで[、/]そこを見た。
海底かいていは十一ひろでやわらかい[どろ/どろ]
32 33 [「/<]エス[」/>] 32
[「/<]エム[」/>][どろ/どろ]
[「/<]shエスエツチ[」/>]かいがらといったように[/、]海底かいてい状態じようたい
測鉛そくえんそこ獣脂じゆうし[を/まで]つめる[/ことまでする]のはこれがはじめてだった。 This was the first time he had seen them bother about arming the lead.
いかりをおろそうとする[時/とき]
[今度こんど/こんど]は、それ以上いじようのことを
この白いきり[め/目]かくしされているので
どんなに[ちい/小]さいことでも知りたがっているのだ[った/]
海底かいてい[どろ/どろ]かいがら
33 [エンジン/機関きかん]の音がふいにわった。
34 進路しんろ西[にし/]。」
進路しんろ西[にし/]です、
海底かいてい[どろ/どろ]かいがら
34 絶壁ぜつぺきがちらっと見えたのかも[知/し]れないな。
[かじ/かじ]に気をくばってくれ。 33
進路しんろ西[にし/]です、
35 海とはなんのかかわりもない物音ものおと[/、]ぎょっとなった。
「かえれ[!/]、かえれ、かえれ!」と[/、]のライチョウが ‘Go back. Go back. Go back!’ It was the cry of a grouse alighting.
ディックに海図かいずをわたし[て/]
「これをしっかり[/も]っててくれ。」といって[/、]前部甲板ぜんぶかんぱん
海底かいてい[どろ/どろ]
「七ひろ。」と[、/]いって[/、]ナンシイが
停船ていせん。」と、フリント船長せんちようが大声[に/で]いった。
[エンジン/機関きかん]鼓動こどうがたかまった。
[かじ/かじ]をぐっとまわした。
つづいてくさりが[綱道つなみち/フェアリード]をすべる the chain pouring out through the fairlead
35 [エンジン/機関きかん]とまりました。」
[エンジン/機関きかん]の音がせきをするように
ちいさなあわがゆっくりと[なが/なが]れていくのが見えた。
36 みんながダビット[/(3)]を立てるために
測鉛そくえん[/も]ってこいよ。 34
ナンシイはボートの[とも/船尾せんび]にすわって、測鉛そくえんつなを足[元/もと] Nancy in the stern coiling the lead-line at her feet.
きりの中に[くろ/黒]てんとなって
「とにかく、岸近きしちかくまで[、/]はいってるよ。」
36 きりにまかれて海の中にいるより[/、]この[方/ほう]がずっといいわ。
「また移動いどうしなくちゃならないかも[知/し]れないぜ。」
「あまりちかよりすぎてるかも[知/し]れないんだ。」
37 あぶらのしみたぼろきれで[エンジン/機関きかん]をふいて
37 38 [帆柱ほばしら/マスト]の上はしめっぽかったわ 35
38 39 どこにいるのか[/、]なかなかわからない
まっしろなきり[/む]かってさけびかえした。
39 40 そのあいだにわしが[/ボートの]船尾せんび[から/にぶら]さげるようにするから。 36 while I get it slung from the stern.
40 41 [だいじょうぶ/大丈夫だいじょうぶ]なひろさもある。 37
朝になればよく[は/]れるよ。
このきりのやつ[/、]つめたいなあ。
「歯ががちがちだっていった[方/ほう]がいいよ。」
41 どどっと[昇降口しょうこうぐち/ハッチ]階段かいだん
わずか四、五時間[じかん/]前まで、
42 船室せんしつのランプ[に火がはいっ/がともされてい]た。 The cabin lamp had been lit.
海底かいてい[どろ/どろ]
シロクマ号の[ち/][/ち]ぬしが船を[地/海底かいてい]につけて where he had put her ashore
ディックは海岸かいがんから[/さ]ほど遠くない
夕食ゆうしよくについて[意見いけんをたたかわし/話しあい]、マカロニとトマト[に/と]としたまごを[つける/出す]ことにきめていた。 were debating supper and agreeing on macaroni and tomato with poached eggs.
個人用こじんよう航海日誌こうかいにつし[つけ/]にもどっていた[。/……] Titty was back at her private log. . .
ロジャは、なにかうまいきよくを思いつこうとし[ながら/て]おもちゃのふえをならしていた[。/が、ひそかににやっとわらってから、すごいはやさで、「わしらは朝までかえらない」をぴいぴいきはじめて、みんなをびっくりさせた。] Roger was fingering his penny whistle trying to think of a suitable tune to play. He grinned to himself and startled everybody by drilling out at a good pace, ‘We won’t go home till morning.’
つながのび[切/き]るまでこいでいって 38
イギリス国歌こつかを一、二せつならしてから[、/]いった。
42 43 やかましい音をたてるお[て/手]つだい
ナンセン[(1)/(4)]こおりの中を
[いっしょう/一生いつしよう]けんめいたまごとマカロニを
[時々/ときどき]うたがわしげな目で
かれが心からたのし[く思っていないことを、ナンシイはよく知っていた/んでいないことが、よくわかっていたからだ] She knew very well that he was not really happy.
きりさえ[は/]れてくれれば
アンカー・[ウォ/ワ]ッチ
43 44 ねている[ひと/人]たちをおこすの。 39
それから、[寝床ねどこ/ベッド]へはいる前に
たたんだメ[ー/]ンスル([2/5])から[/、]水滴すいてき
船室せんしつのあかりとりからもれる光[り/]
シロクマごうは、[なめらかな水の中/なみひとつない湾内わんない]にとまっている。[どこかきりそとで、あのなみが/あのなみ湾外わんがいのどこかで]さわいでいるにちがいない。 The Sea Bear lay in smooth water. They knew that those waves must be somewhere outside.
ばん[じゅう/じゅう]おきては
乗組員のりくみいんたちは、[どこ/だな]にもぐりこんだ。 The crew stowed themselves in their bunks.
しかし[昇降口しょうこうぐち/階段かいだん]のそばに near the top of the companion ladder
心の[/お]ちつかない
44 [時々/ときどき]、なにも見えない
45 [/(1) 一ひろ――一メートル八十三センチ。水深すいしん測定そくていや、鉱山こうざんでつかわれる長さの単位たんい。] 訳注
[/(2) フェアリード――つながひっかからずに目的もくてき方向ほうこうにいくようにした金具かなぐや、あなのあいたいた。]
[/(3) ダビット――舷側げんそくからつき出ている、ボートをあげおろしするための小さなクレーン。]
([1/4]) ナンセン――ノルウェーの北極探検家ほつきよくたんけんか(一八六一~一九三〇[/年])。
([2/5]) メ[ー/]ンスル――主帆しゆ[ほ/はん]

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