逆で行こう!過去ログ-19-

西武ライオンズを中心に日本プロ野球界のことについて
あえて違った視点から見て考えてみよう。
(基本的に他の掲示板に書いたモノの焼き直しです)

 

オリックス低迷の原因(03.8.18.記)

 オリックスが低迷しています。当HPでもシ・リーグなんてネタを展開していましたがかなりの低迷ぶりです。90年代後半のライオンズの天敵と言えばオリックスでした。ライオンズが黄金時代から滑り落ちたのも、地方球場でのオリックス戦にデストラーデなんかを登板させた辺りからです(笑)。オリックスにはシーズン勝ち越しも難しく、GS神戸は西武ファンにとって行きたくない球場ナンバー1だったのではないでしょうか?そんなオリックスがここ数年、ドンドン駄目になって行ってます。Aクラスの常連だったチームがBクラス当然、最下位常連になりつつあります。何故なんでしょう?

 青波ファンの大体の意見は「宮内オーナーがいかん」「球団が球団運営の意欲を失っている」「石毛がいかん(ここに原因が無いと言う事は明らかになりましたが(笑))」こんなところでしょうか?そしてその改善策として上がっているのが「球団運営にやる気のある企業への売却」「仰木監督の復帰」です。噂では現在仰木氏は闘病中との事で、事実だとすれば現場復帰は難しいかと思われますが、それでなくても個人的には仰木氏復帰には否定的です(オリックスファンでも無いのに勝手な事言ってますが)。ファンというモノは当然、そのチームが一番良かった時期を理想とします。だからオリックスファンが仰木監督を、同様に千葉ロッテファンがバレンタインを、横浜ファンが権藤を回顧したがる気持ちは理解できます。ですが長年Aクラスを維持し続けているチームのファンから見ると、大変生意気ながらこの両氏ではチームの抜本的改革は難しいと思います。

 バレンタインは1年で辞めてしまったのではっきりとは言えませんが、仰木監督、権藤監督の采配には、長期的ビジョンが感じられません。「今現在有る戦力で優勝する。」そう言う状況では結構やれる監督ではありますが・・・同じような監督に、現在飛ぶ鳥を落とす勢いの阪神星野監督もあげられます。これらの監督に共通している点は、「選手を乗せるのが上手い」「これと見込んだ選手は使い続ける」「タニマチに可愛がられている」等が挙げられます。これら全て短期的展望では有利に働く点だと言えます。タニマチに可愛がられていれば、監督賞なども出しやすく、選手の士気向上にも役立ちます。またこれと思った選手を抜擢すれば、他のくすぶっている選手も「オレにもチャンスが?」とこれまた士気向上に役立つわけです。そうするとチーム全体が良い雰囲気になり、アッという間にミラクルな優勝を果たしてしまうわけです。つまり「火事場のバカ力的優勝」と言えるでしょう。それぞれの選手がおだてられて乗せられて、自分の力以上のモノを発揮してしまうわけです。

 でも、所詮これは最大瞬間風速でしかないわけです。おだてられた選手は慢心し勘違いをし始めます。2流は1流だと、1流は超1流だと過信しする訳です。その上チーム自体は基本的なレベルアップした訳ではないのですから、そうそう調子良くは行かなくなります。そうなると「これと見込んだ選手は抜擢」これも当事者以外からはえこひいきに見えてきてしまうわけです。挙げ句優勝という目標を達成してしまったチームはバラバラになっていってしまうのです。中日時代の星野監督優勝後、横浜権藤監督優勝後、近鉄時代の仰木監督優勝後、そして現在のオリックス。成績が全て物語っています。彼らの退任後には大きなチームの落ち込みが見られるわけです。そう、仰木、星野監督らは「劇薬」なのです。効果も大きいが副作用も大きいと・・・

 話をオリックスに戻します。会社の名称変更/知名度アップの為に阪急を買収したオリックス。ひょんな事から仰木監督を指揮官に迎え入れることに成功します。そしてこれまた偶然に(仰木監督としては当然でしょうが、球団としては偶然でしょう)イチローという超スーパースターが出現してしまいます。そしてあれよあれよという間に優勝。これで選手だけでなく球団運営にも慢心が見られるようになってしまうわけです。知名度が上がれば良いと地道に球団運営をしていたのに、一気にバブルがやって来てしまったのです。勘違いした選手達と勘違いしたフロント。こんな状況で健全なチーム運営が出来るわけがありません。そして星野監督らと同じく、仰木監督もチームがガタガタになる手前で退団。その後には当然ペンペン草も生えていません。前記したように「長期的展望に欠ける」のですから、選手は使い切るモノで育てるモノではないのです。後を引き受けた監督は一からチームを作り直さなければいけません・・・

 確かにフロントがしっかりとしたビジョンを持っていれば、仰木監督や星野監督でも構わないでしょう。でもそれにしても本来は「土台を作る監督」→「強くさせる監督」→「黄金時代を作る監督」こういうステップが必要なわけです。実は仰木監督や星野監督はこのどれにも当てはまりません。彼らは「優勝させる監督」でしかないのですから。万年Bクラスのチームはこの劇薬に魅力を感じてしまいます(そりゃ優勝したいですから)。でもその後にはまた万年Bクラスが待っているわけです。プロ野球の長い歴史の中で万年Bクラスからの脱却に成功したチームは、みなこんな劇薬には手をつけていません。阪急、広島、ヤクルト、西武、ダイエー?どのチームも段階を経た監督起用をして黄金時代を築いています。

 ここまで読んで貰えば解ると思います。また優勝がしたいだけなので有れば「仰木監督招へい」構わないと思います。でも今現在のぼやき、嘆き、怒り。それらをもう味わいたくないので有れば、フロントも選手も勘違いさせ、チームを崩壊させる劇薬監督に手をつけてはいけないのです。現状のオリックスにした主原因は仰木監督に有るのですから。

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