|
|
|
|
|
|
|
|
僕は世代的にはギリギリ756号を見ている世代で、NはともかくOの凄さは社会的現象として体験している世代です。それこそ子供向けの雑誌では毎号のようにOの素晴らしさを啓蒙していて、同世代の子供達にとって世界一のOは紛れもないスターでした。とにかく人格者で素晴らしい人だと道徳の教科書のように教え込まれるのですから、まぁそれは一種の宗教のようなモノだったことは否定できません。 だれもが今ならライトライナー程度の飛距離にしかならないホームランを本気で世界一だと思ってましたし、両翼87メートル、しかも観客を守るフェンスの手前に入ってもホームランと言う、どうかと思うローカルルールにも全く疑問は感じませんでした。とにかく敗戦国日本にとって、力道山、長嶋、王と言うスターは、強くて大きい外国人を負かす日本人（それぞれの国籍云々は除きます）として、日々頑張って働いている日本のお父さん、次代をになう子供達にとって必要な存在だったのです。 ですから、そのすり込みを受けた今の40代以上の人にとって、ONが最高の存在なのはなかなか覆すことの出来ない事なのです。このすり込みという奴はなかなか厄介で僕自身もあやうく「王貞治、読売最高」の小学生になりかけました（正しい道に？引き戻してくれてありがとう！アンチGの父）。もっとも読売監督時代、ダイエー監督就任当初の理不尽ぶりで、王＝人格者と言うすり込みもだいぶ解消できましたが、それにしたって自分で判断できる年になってからです。 40代以上にこの「ON最高」のすり込みが蔓延しているのと同じく、意外と今の若い世代には「大リーグ最高」のすり込みが蔓延していると思います。果たして大リーグは最高なのでしょうか？大リーグは常に正しくて、面白くて、凄い存在なのでしょうか？日本の野球はそんなに面白くなくて、下らないモノなのでしょうか？いったいどれほどの人がこの事に対して、自分で考えて自分で判断しているでしょう？ カブレラの週ベのインタビューにも有りました「僕は大リーグでフェアでない扱いをうけた、だから日本に骨を埋めるつもりさ」。マックとソーサのHR争いの時も、バカみたいにストライクゾーンにボールを放らないと、フェアでないと言われてました。それが本当の真剣勝負なのでしょうか？いたずらに四球合戦の日本のタイトル争いも偏ってますが、この真剣勝負という大義名分に、踊らされてるHR争いも随分と偏っては居ないでしょうか？ HRが多く出た方が良いから球場を小さく作ってしまったりもしますし、意外と大リーグも適当なんですよ、そんなに神格化される程のモノではない、ある意味、その時その時の雰囲気に流される勝手なリーグでは有るのです。確かに長い歴史がある為、日本プロ野球が参考にすべき点も多くあります。1球団にだけ利益が固まらないシステムや、天然芝への回帰など積極的に導入すべきです。でもやっぱり所詮大リーグも人が動かしているのです、多かれ少なかれ悪い点もあり逆に日本プロ野球も悪い点ばかりでは無いのです。そう言う点まで考えてみんな「大リーグ最高」と思っているのでしょうか？ 日本マスコミの「大リーグ神格化計画」に踊らされて居るだけではありませんか？それでは「ON神格化」の昔の世代と変わらないんですよ。特にマスコミの報道は明らかに偏っています。イチロー、新庄、復活したから野茂、叩き上げだから鈴木。この辺の日本人中心の報道ばかりで報道している側も、どの地区のどのチームが何位だかなんて把握してそうにもありません。そんな情報だけしか我々は与えられてないんですよ？それだけで「大リーグ最高」なんてちょっと浅はかですよね？ 新庄の活躍嬉しいです。長谷川の適応力素晴らしいです。そう言う点は素直に喜べます。すんごいスピードで投げてくる球を力一杯打ち返す。その迫力も凄いです。でも同様に日本プロ野球にも、色々な面白さがあるのです。どっちが上だとかでなく、両方面白い筈なのです。突き詰めれば、何にでも面白さは有るわけです。日本プロ野球をたいして見もしないのにマスコミに踊らされて「プロ野球は詰まらない」こんな事を簡単に言ってしまうのは恥ずかしい事です。それぞれの目で見て、考えて、その結果面白いと思う方を見れば良いのです。 周りの雰囲気に乗って自分の意見が無い事が一番恥ずべき事です。「ON神格化」と同じように「大リーグ最高」あまりにも安易に思えませんか？ |
|
|
|