逆で行こう!過去ログ-8-

西武ライオンズを中心に日本プロ野球界のことについて
あえて違った視点から見て考えてみよう。
(基本的に他の掲示板に書いたモノの焼き直しです)

 

今更ながら堤オーナーを考える(00.11.29.記)

 西武ファンの人でも、堤オーナーだけは嫌い。こういう人を結構見かけます。これは何故なんでしょう?その理由として代表的なモノを二つあげられると思います。一つは森前監督に対しての「やりたければどうぞ」発言から来る冷たく酷い人と言うイメージ。もう一つは読売と組んでFA、ドラフト逆指名の悪法を通して、球界を危機に陥れた張本人と言う点。これらについて多少誤解があると思うので、誤解を解く意味も込めて触れてみようと思います。

 まず「やりたければどうぞ」発言について。これこそが僕がたびたび言っている、マスコミによる一方向からの歪んだ情報提供の被害者だと思います(大リーグはクリーンで素晴らしい。と一緒ね)。オーナーの「やりたいのでしたらどうぞ」発言は正確には「森監督は西武をここまで強くしてくれました、その森監督にたかが1年優勝を逃したからと言って辞めろなんて事は言えません。ですから森監督がやりたいのでしたらどうぞやって下さい。」と言う言葉だったらしいです。それを日頃のあの鉄面皮(失礼)のイメージから、マスコミが勝手に言葉尻だけを増幅して、あのような出来事に変えてしまったのですから、全くマスコミとは怖いモノです。

 この件に関しては、多くの西武ファンが身内でありながら、勘違いしたまま信じ込んでしまっていて、堤オーナー憎しへの源となっているだけに是非誤解を解いて貰いたいです。さらに堤オーナーは、この発言を否定しましたが、マスコミによって「世論を見て慌てて否定」とか書かれてしまいましたし。森監督が否定したのも「さすが名将耐えて忍ぶ」と勝手に湾曲されてしまって本当に困ったモノです。解説者になってからの森氏の西武びいきぶりから考えても、素人のフロントは別として(日本シリーズでの辞意リーク疑惑)オーナーとの関係は、円満であったと思われます。

次に読売と共同戦線を張った点。簡単に結論から言うとオーナーとしては「仕方がない。」こういう感じでしょうか?(←あくまでこの時点でね)と言いますのも、あまり野球に詳しく無いと言われていたオーナーは、ライオンズを作った時に「読売を越えるチームを作って球界の盟主になる」と言う野望を抱いたのです。そして、その為に有りとあらゆる方法を使って、ライオンズを万年Bクラスのチームから球界一の実力派チームに変貌させたわけです。当然V9を知っているオーナーはこれでファンも爆発的に増えると思っていたでしょう(子供には強いモノが人気有るの理論ね)。でも実際はみなさんご存じの通りです。強いけれど決して球界の盟主にはなれなかったのです。それどころか観客動員数も頭打ちです。これでは、理想を語る前に、一企業者としてまずいと感じたわけです。

 このままパリーグにいても、読売を追い越すことは絶対に無理だ。だったら読売と1リーグになって、毎年読売と優勝争いを繰り広げ、伝統の一戦を阪神から奪い取り西武-読売戦をドル箱カードにしよう。と考えたわけです。こうすれば、観客動員もうなぎ登りですし、実際シーズンで読売も叩けるわけですから、実力的にも的確に強さを証明できるわけです。そして読売を倒しての優勝ですから、より価値も高まります。そうやって強さを証明して行けば、NO.1にはならずとも強い悪役(あくまで読売善玉としてね)として、人気が定着するのでは(アンチ読売)と考えたわけです。そう言う思惑で読売に近づき、色々と協力して現在の悪法を通してしまったわけですが、結果はこれまたご覧の通りです。実現寸前まで言ったと言われてますが、セリーグ数球団の裏切りにあい、1リーグ構想はぽしゃり、読売有利の悪法だけ残ってしまったのです。

 でも、よく考えてみて下さい?この考え方↑は、その時点でのうちの(西武)事を実によく考えての行動だと思いませんか?確かに、全プロ野球界を考えたら決して威張れる行動では有りませんが、少なくとも身内の西武ファンにぼろくそ言われるような事はしていないと思います。また、現在の悪法に反省している我が球団は、FAでの選手の獲得にも消極的姿勢を示しています。これもある意味スジが通っているでしょう?まぁこの1リーグ構想失敗以来、表だって行動する事を避け、世間的には情熱を失ったように見せていたオーナーですが、松坂獲得の際には、強権発動で見事獲得に成功。この辺りのセンスなどを見ても、我々素人では計れないレベルで行動している凄い人物であると思います(野球だけが好きなバカオーナーも、ファンにとっては嬉しいですけどね)。

 今のライオンズがあるのは、ある意味オーナーのおかげです。いやパリーグ全体のことを考えても、あそこで西武がライオンズを買収していなかったら、パリーグがここまで存続されていたかも疑問です。強くて、パリーグの中では人気があったライオンズがあったから、他球団も球団運営に力が入ったのです。そう言う意味では、パリーグの中での読売的役割はキチンとこなしているのですけどね。

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