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マジャ・スタークがメジャー初優勝・全米女子オープンゴルフ選手権(2025.06.02)

米女子ゴルフ今期2つ目のメジャー大会<全米女子オープンゴルフ選手権>は5月29日〜6月1日、ウイスコンシン州エリンのエリン・ヒルズGCで行われました。
4月末のメジャー第1戦<シェブロン選手権>で米ツアー初優勝を飾った西郷真央にメジャー2連勝の期待がかかりました。
予選ラウンドを<−8>とトップで通過した西郷真央でしたが、決勝ラウンドに入ってスコアを崩し、最終日は1位<−7>=M・スターク(スエーデン)、2位<−6>=J L・ラミレス(スペイン)、3位T<−5>に竹田麗央、渋野日向子、西郷真央、6位<−4>N・コルダ(アメリカ)が優勝を争う展開となりました。
コース・アベレージが3日目に続く難しい設定だったため、各選手、思うようにスコアを伸ばせず、結局、スタートの<−7>をなんとか守り抜いたM・スタークがメジャー初優勝を飾りました。
前半苦しみながら後半にスコアを戻したN・コルダ、竹田麗央が2位Tになり、西郷真央は1オーバーのプレーで惜しくも4位Tに終わりました。
渋野日向子はショットの調子も良く、我慢のゴルフを続けましたが、後半の1ホールでスコアを崩し<−3>の7位T、J L・ラミレスは序盤からスコアを崩し<+1>の19位Tという結果となりました。
第1ラウンドの成績があまり良くない西郷真央が2アンダースタート、2日目は6アンダーと予選ラウンドを<−8>と首位で突破したので、メジャー2連勝を大いに期待しましたが、コース・アベレージ<75.23>という3日目の最難関設定に打ち勝てず、スコアを3つも落としてしまったのが残念です。
難しいコース・セッティングに悔しい思いをした西郷真央ですが、最終日に一緒に回ったN・コルダの「グリーンを外した時の、タップインパーができるほど精度の高いプレーが出来たら、もっと攻めるゴルフができると思う」と米ツアー2勝目、メジャー2勝目への意欲を語っていました。

西郷真央にとって「惜しい悔しい」全米女子オープンゴルフとなりましたが、我慢に我慢を重ね勝ち取った<シェブロン選手権>優勝に続き、”メジャー2連勝”というプレッシャーに耐えに耐えて優勝争いをし、そして死守した4位Tは立派に「評価できる」成績だと思います。

マジャ・スターク(Maja Stark)
出身:スエーデン
生年月日:1999/12/10(25歳)
出身校:オクラホマ州立大学
プロ転向:2021年(欧州女子ツアー)、2022年(米女子ツアー参戦)
通算勝利:米国2勝(メジャー1勝)
女子ゴルフ世界ランキング:6位
米女子ツアー今期ランキング:14位
メジャー優勝:スウェーデン勢としてリサロッテ・ノイマン(1988年)、アニカ・ソレンスタム(1995、1996、2006年)に続く3人目の大会覇者

写真:上=優勝カップを手にするM・スターク。下=M・スターク=はLPGAのHPから転載。中=優勝を逃し天を仰ぐ西郷真央=GDOのHPから転載。

金澤志奈、スルリと逃げてしまった初優勝・RKBレディスクラシック(2025.05.18)

日本女子ゴルフツアー第9戦<RKBレディスクラシック>は5月16日〜18日まで福岡雷山ゴルフ倶楽部(福岡県)で行われました。
最終日、最終組の3人、金澤志奈、小祝さくら、神谷そらが<−9>で並んで優勝争いを戦うことになりました。
神谷そらはいいスタートを切り、8番までに3つスコアを伸ばしましたが、9番のD・ボギーで後退。小祝さくらは前半1つしかスコアを伸ばせませんでした。
金澤志奈は前半、順調に3バーディーでプレーを終え、後半に向けて2人に2打差の首位に立ちました。
そして11番・P5でスコアを伸ばし、スコアを崩した他の二人に4打差となったところで悲願の初優勝がグッと近づいたように見えました。
過去3度の最終日最終組のプレーでは、悔しい思いをしてきましたが、この試合では本人が言うように「思ったより平常心で、集中していいプレーができた」と思います。
普通なら、このまま無事に残りホールをこなせれば優勝となるところでした。
しかし、優勝戦戦から脱落かと思われた小祝さくらが13、14、15番と3連続バーディーで金澤に1打差と迫り、神谷そらは終盤15、16、17番とこちらも3連続バーディーで1打差に。
優勝争いは俄然緊迫してきて最終18番のスコアに委ねられることになりました。それでもP5のホールを残しての1打差リードなので金澤志奈が有利なのは間違いありません。
ティーショットは3人ともフェアウエーでしたが、飛距離の出なかった金澤志奈は第2打を刻んで3打目勝負に。
小祝さくらは2オンを狙いましたがグリーン手前のバンカーに捕まりました。
神谷そらは見事2オンに成功して、少し距離はあるがピン横、イーグルチャンスにつけました。
金澤志奈の第3打は残念ながらバーディーを狙うにはやや距離のあるピン手前に止まってしまいました。
小祝さくらは絶妙のバンカーショットでバーディーチャンスに。
神谷そらのイーグルパットより遠かった金澤志奈のバーディーパットは入らず、他の二人がバーディーで<−13>で並び、プレーオフに突入するかと思われました。
神谷そらがあっさりイーグルパットを決めてしまい、逆転優勝を勝ち取りました。
金澤志奈のプレーオフへの期待は破られ、プロ9年目、手にしかかっていた初優勝はスルリとその手からこぼれ落ちてしまいました。
過去3度あった最終日最終組はいずれもオーバーパーをたたいて終わっていたから、最終的にボギーなしの「68」は確かに「いいプレー」でしたが、12番以降にバーディが1つでも欲しかったところ。
「最後は私がバーディを取って(プレーオフなどで)優勝しないといけない場面だったので、パーになってしまったのが悔しいです」が本音でしょう。

写真上は18番で外れたバーディーパットを見送る金澤志奈(GDOから転載)

金澤志奈:
出身=茨城県笠間市
生年月日=1995年7月29日
プロ転向=2017年7月29日(89期生)
顔写真はJLPGA登録写真から転載。

1/5を確保&1/5を制覇・西郷真央、メジャー初優勝(2025.04.28)

米女子ゴルフツアー、今季最初のメジャー大会<シェブロン選手権>が4月24日から28日まで米テキサス州のカールトンウッズ・クラブで開催され、西郷真央が米ツアー初優勝をメジャー大会勝利で飾りました。
この試合の最終日、最終ホールでなんとも言えない不思議な出来事が二つありました。
この二つの不思議は、西郷真央の「なんとしても勝ちたい」という強い気持ちと我慢強いプレーに幸運を与えてくれたのかもしれません。
最終日、最終組でスタートした<−9>1位Tのユ・ヘラン(韓国:23歳)、西郷真央(日本:23歳)、<−8>3位のリンディー・ダンカン(米国:34歳)は3人とも思うようなプレーができません。
とくにユ・ヘランは出だしからボギーの連続でスコアを崩し9ホール終わって<−5>、リンディー・ダンカンも1つ落として<−7>。西郷真央がなんとか凌いで<−9>を維持するという状況でした。
ところが二組前をプレーしているアリヤ・ジュタヌガン(タイ:29歳)が前半を3アンダーで回り<−9>のトップTに並びました。
後半に入って西郷真央がスコアを3つ落とし17番終了時点で<−6>、L・ダンカンも1つ落として<−6>となり、同じ17番を終わって<−8>のA・ジュタヌガンの優勝の可能性が高くなりました。

一つ目の不思議は最終18番パー5の第3打目に起こりました。
A・ジュタヌガンの第2打はグリーン奥のギャラリースタンド前の深いラクに。ピンまで20ヤードはあろうかというくだりのアプローチが残りました。
第3打は誰の目にも、ラフの硬さを確かめる素振りのように見えましたが、A・ジュタヌガンはキャディーの方を見て、改めてスタンスをとりなおしました。
上部からのカメラに映った映像では、クラブヘッドが手前の芝に喰われてしまい、ボールはほんの10cm動いただけでした。
第4打はカップを大きくオーバーさせ、このホールをボギーとしてしまいました。結果<−7>でのホールアウトとなり、ひと足先にプレーを終えていたキム・ヒョウジュ(韓国:29歳)に並ぶ1位Tとなってしまいました。
この組で一緒に回っていたイン・ルオニン(中国:22歳)がバーディーをとって<−7>とし、1位グループに加わりました。
最終組の二人はこの18番で2オンに成功しましたが、西郷真央の第2打はA・ジュタヌガンと同じようなグリーン奥のギャラリースタンド前の深いラクに。
L・ダンカンはグリーン左奥のラフに。そこからの第3打はピン下3m弱に寄せました。
西郷真央のくだりの難しい第3打アプローチはピン横3メートルばかりのところに止まりました。このバーディーパットを入れれば<−7>となり、1位グループに加わり、プレーオフに進出できます。
気持ちをしっかり持った、いいストロークのパットでした。本人の気持ちを表す何回ものガッツポーズがでました。
この後、L・ダンカンもバーディーパットを決め、結果<−7>で5人が並ぶと言う前代未聞の多人数によるプレーオフとなりました。
プレーオフは同じ18番パー5を使って行われました。
キム・ヒョウジュとL・ダンカンは第2打をフェアウェイにおいて3打目勝負に出ました。
Y・ルオニン、西郷真央、A・ジュタヌガンの3人は2オンを狙いました。最初に打ったY・ルオニンの第2打はピン奥3mのグリーン上に止まりました。
西郷真央とA・ジュタヌガンの第2打は、72ホール目と同じようにグリーン奥のギャラリースタンド前の深いラクに捕まりました。
第3打目。西郷真央はピン横1m弱に寄せ、A・ジュタヌガンはその外側2m弱のところに寄せました。
キム・ヒョウジュとL・ダンカンの第3打目。キム・ヒョウジュのボールはY・ルオニンのボールよりわずかにピンに近い位置に止まりました。
L・ダンカンのボールは池に入るかと思われましたが、赤いペナルティエリアに止まりました。
この時点ではイーグルパットを狙えるY・ルオニンが優位に立ちましたが、L・ダンカン以外の3人にバーディーのチャンスがあるので、ここで一気に決めたいと思ったのか、くだりのイーグルパットが強目にはいってしまい、ピンオーバー2mにまで行きました。

ここから二つ目の不思議な出来事が起こりました。
キム・ヒョウジュのバーディーパットはカップを少し外してしまいましたが、Y・ルオニン、A・ジュタヌガンのパットはともにカップを舐めるように半回転し、カップインはしませんでした。
残るは西郷真央のバーディーパット。米ツアー初優勝、しかもメジャー大会優勝がかかったパットです。メジャーの優勝経験のある3選手がことごとくパットを成功させることができなかったのを目の前にして、1m弱の優勝パットは本人が「手が震えるだけでなく、全身が震えるのを覚えた」というパットでした。
それにしても3人の選手が誰もバーディーチャンスを決めきれず、5人のプレーオフが1ホールで決着してしまうという不思議な<シェブロン・チャンピオンシップ>の結末でしたが、ずっと西郷真央を応援してきた1ファンにとっては印象深い、素晴らしい、そして嬉しい初優勝・メジャー勝利でした。
ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した選手はツアー勝利はもちろん、メジャー優勝している選手ばかりです。西郷真央もこれでやっと、堂々とルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得選手、メジャー優勝者としてLPGAツアーを戦っていけると思います。

写真上:恒例の優勝者池ダイブのあと、バスローブ姿で優勝カップを掲げる西郷真央。(LPGA HPから転載)
写真下:優勝を手繰り寄せるバーディーパットを決め、渾身のガッツポーズ。(GDO HPから転載)

Playoffを戦った選手
○西郷真央
日本:23歳 米ツアー参戦:2024年 通算勝利数:0勝(日本6勝)
○イン・ルオニン(Ruoning Yin)
中国:22歳 米ツアー参戦:2022年 通算勝利数:5勝 (メジャー 1勝)
○アリヤ・ジュタヌガン(Ariya Jutanugarn)
タイ:29歳 米ツアー参戦:2012年 通算勝利数 :12勝 (メジャー 2勝)
○キム・ヒョウジュ(Hyo Joo Kim)
韓国:29歳 米ツアー参戦:2015年 通算勝利数:7勝 (メジャー 1勝)
○リンディー・ダンカン(Lindy Duncan)
米国:34歳 米ツアー参戦:2014年 通算勝利数:0勝

喜びの仕草なしの勝利・ツアー・ルーキーの初優勝(2025.03.10)

米女子ゴルフツアー・アジアシリーズの最終戦<Blue Bay LPGA>が3月6日〜9日まで中国・海南島で行われ、日本人選手・竹田麗央が2位に6打差をつける圧倒的なゴルフで優勝しました。
昨年の日米共催の<TOTO Japan>で優勝し、LPGAツアーメンバーの資格を獲得しての初年度。開幕5戦目にしてツアー・ルーキー初優勝を成し遂げたので、その喜びはいかほどかと思いました。
しかし、最終18番でバーディーパットを決めると、カップからボールを拾い上げ、少し周囲を見回したように思えましたが、同伴競技者に挨拶し、専属キャディーとハグを交わしただけで、ガッツポーズを作るでもなく、両手をあげてギャラリーに応えるでもなく、喜びの仕草はほとんどありませんでした。
表情が変わったのは、日本人プレーヤーからの祝福のシャンパンシャワーを受けた時に笑顔が見られたくらいでした。
最終日、2位と2打差でスタートした竹田麗央は1番でいきなりバーディー、その後も他の選手がホール攻略に苦戦してスコアを伸ばせないでいるのを尻目に、着々とバーディーを重ね、終わってみれば6打という大差での勝利でした。
1ホール、1ホールの良い結果、悪い結果にも心を動かすことなく、淡々とプレーし続けることができるのが竹田麗央の強みではないかと思いますが、ホールアウト後は少しは気持ちを表現して欲しい気もします。
これで竹田麗央は開幕5戦で1勝、 top10が3回と堂々たる成績で、今季複数優勝も大いに期待できそうです。
昨年の<TOTO Japan>の優勝で来年のツアー参戦資格も保証されていますが、今期のツアー優勝者での来季出場資格、さらに「CMEポイント」上位80人に与えられるシード権もほぼ確実となっていますので、今季、来季の米女子ツアー生活に何の心配もありません。

竹田麗央=熊本県出身:2003年4月生まれ 21歳、プロ転向:2022年
通算勝利:日本ツアー8勝(内メジアー2勝)米国ツアー2勝
写真はLPGA HPから転載

「ダウン疑惑」で話題騒然・WBA世界ライト級タイトルマッチ(2025.03.03)

3月1日、米ニューヨーク州ブルックリンのバークレイズセンターでボクシングのWBA世界ライト級タイトルマッチが行われました。
チャンピオンのジャーボンティ・デービス(米国)がWBA世界スーパーフェザー級王者のラモント・ローチ(米国)の挑戦を受ける形の試合です。
30戦無敗・28KOの戦歴を誇るチャンピオンに1階級下からの挑戦者が挑む形の試合だったため、事前の勝敗予測は<20:1>のかけ率に見られるように、圧倒的にデービス優利と見られていました。
ところが試合が始まってみると、両雄がまったく互角の攻防戦が続き、問題の9ラウンドに入りました。
ローチの左パンチを受けたデービスが突如戦いをやめ、膝をつくような仕草を見せました。レフェリーはカウントを始めかけましたが、デービスは、コーナーに直行。セコンドにタオルで頭をふいてもらうと、リング中央に戻って戦う姿勢を取りました。
このため、カウントを始めかけたレフェリーは、最終的にダウンを取らず。そのまま試合を継続しました。
結局、試合は12ラウンドまで戦われ、勝負は判定に持ち込まれました。結果は審判1人は2ポイント差でデービス、他の2人はイーブンだったため、かろうじてデービスが<ドロー(引分)>で王座を守りました。
しかし、9Rのヒザつきがダウン扱い、またセコンドの顔拭きが減点処分になれば、ローチの勝利となっていたかもしれないという疑念の残る試合になってしまいました。
デービスは試合後「編んだ髪から流れ出たグリースが目に入り、焼けるように痛んだ」と言い訳をしたようですが、多くの関係者、ファンは試合の裁定に異論噴出で、WBA会長も「再戦の用意がある」とコメント。またデービス自身も、年内の引退を宣言していましたが、予定を変更しローチとの再戦を来年行うとの発言をしているようです。
試合予測にみられたデービスのKOでの圧勝を期待して集まった2万人の観客にも、世界のボクシングファンにも期待外れの内容になってしまったばかりか、後味の悪い試合裁定だけが記憶に残る試合になってしまいました。

ジャーボンティ・デービス(Gervonta Davis:30歳)。
31戦30勝(28KO)1引分
現WBA世界ライト級王者。元WBAスーパー ・IBF世界スーパーフェザー級王者、元WBA世界スーパーライト級王者と世界3階級王者を制覇。
写真は<Wikipedia>から転載

最終ホールまでハラハラ、ドキドキ・米女子ツアー第3戦(2025.02.25)

2月20日〜23日、米女子ゴルフツアー第3戦<ホンダLPGAタイランド>がタイのサイアムCCで行われました。
試合はエンジェル・インと岩井明愛の、どちらも一歩も譲らない激しい戦いが最終日、最終ホールまで続きましたが、エンジェル・インが追いすがる岩井明愛を1打差で退け、自身通算2勝目となる優勝を飾りました。
初日に10アンダー、62のコース・レコードTで回った岩井明愛が、注目された2日目も5アンダーで回り、スコアを<−15>にまで伸ばし、首位を守りました。
エンジェル・インは初日、2日目と順調にスコアを伸ばし<−13>、首位の岩井明愛に2打差の2位に付けて前半戦を終了しました。
3日目。伸び悩む岩井明愛を後目にエンジェル・インはこの日も大幅にスコアを伸ばし、終わってみれば<−21>、岩井明愛に5打差をつけて首位に躍り出ました。
しかし、最終4日目。5打差を追いかける岩井明愛は素晴らしいゴルフを見せました。
前半の9ホールで5つのバーディーを奪いその差を3つに縮め、後半の出だし3ホールを連続バーディーでついに<−24>、エンジェル・インに追いつきました。
しかし、直後の3ホールで今度はエンジェル・インが連続バーディー、岩井明愛もうち2ホールでバーディーを奪いましたが、エンジェル・インが再び1打差の単独トップに立ちました。
問題は17番ホールでした。グリーン右手前に切られたカップに対して、エンジェル・インは第2打を安全にピン左奥に打ち、奥からの傾斜を利用して約4mのところに着けました。
これに対して、追いかける岩井明愛はピンを狙っての第2打でしたが、爪先下りのライからもあってボールはグリーン右にこぼれてしまいました。
ラフには入らなかったものの、グリーンまでの距離はやや長く、グリーンサイドからピンまでの距離が短い、寄せるのに難しい位置からの第3打になりました。
岩井明愛は迷った末に、ウエッジを放しパターで寄せることにしましたが、やっとグリーンに乗ったところでボールは止まってしまいました。
結果的には、この17番のボギーが勝敗を決めてしまいました。
この後、岩井明愛は最終18番パー5で2オン・イーグルを決め、プレーオフの可能性を残しましたが、エンジェル・インも2オンに成功し、バーディーを奪って決着をつけました。
それにしても、初日に18ホールのコースレコードTの<62>、最終日にコースレコードの<61>というスコアを出しながら優勝できなかった岩井明愛にとっては、米女子ゴルフツアーの厳しさを知る良い経験になったことでしょう。
ツアールーキー・岩井明愛が出場2試合目でのツアー初優勝なるかという期待がかかりましたが、二人の最後まで一歩も譲らぬ試合展開で「ハラハラ、ドキドキ」の素晴らしい試合でした。


写真上は優勝したエンジェル・イン(米国:26歳)プロ転向:2016年 米ツアー2勝(GDO HPから転載)
写真下は岩井明愛(日本:22歳)プロ転向:2021年 米ツアー:2025年〜(ALBA Netから転載)

実質賞金「0」の大会で米女子ゴルフツアー開幕(2025.02.10)

2月6日〜9日、フロリダ州・ブレイデントンCCで米女子ゴルフツアー<ファウンダーズカップ>が開催されました。
2025シーズンは先週の<ヒルトン・グランドバケーション>が開幕戦でしたが、この大会は過去2年間の優勝者32人と招待されたセレブ50人余が出場する特異な大会なので、<ファウンダーズカップ>が通常のツアー競技の開幕戦と言ってもいいでしょう。
<ファウンダーズカップ>はLPGA(米国女子ツアー)の創始者である13人をたたえる目的で2011年にスタートした大会で今年で5回目の開催となります。
また同時に自分たちのゴルフ界の未来に貢献するという使命を持ったユニークなトーナメントでもあります。
というわけで、この試合の成績は他の試合と同様に年間ランキングを決めるCMEポイントや賞金は通常通り配分され記録に残されますが、賞金総額200万$(優勝賞金30万$)は、次代を担うジュニアの育成、チャリティ団体、被災者の救済などのために寄付されることになっています。
この試合の優勝者は米国のイェリミ・ノー(Yealimi Noh:23歳)ですが、実際に手にした優勝賞金は「0$」、他の予選通過選手も同様にそれぞれ手にした賞金は「0$」ということでした。
イェリミ・ノーにとっては米女子ツアー6年目での初優勝だったのですが、貴重な経験になったと思います。
この大会に出場した日本人選手は昨年末の「Qスクール」に合格した5選手を含む12名でしたが、予選突破は9選手でした。
注目のルーキー、山下美夢有が米女子ツアー初戦で4位Tに入る大活躍をしました。
昨年から米女子ツアーに挑戦している西郷真央は、最終日の後半にスコアを崩し<トップ10>に入ることができず、28位Tの成績に終わってしまいました。

写真上は「ツアーが組織された1950年からの75周年」を記念するポスター(USLPGA HPから転載)
写真下は優勝したイェリミ・ノー選手(ALBA Netから転載)

不動尊像と石柱の両方に石工名が刻まれた珍しい石柱塔(2025.02.06)

豊島区高田2丁目に<目白不動尊>で知られる金乗院慈眼寺があります。
その門前に石仏を戴いた二つの石塔が建っています。
門前左は<半跏趺坐地蔵載石塔>で両親と子供五人らしき戒名と「正徳」から「宝暦」にかけての命日が刻まれています。
右は<不動明王戴石柱塔>です。
正面に「享保六辛丑(1721)天/目白/九月十(有)四日」と刻まれた石柱の上に坐姿の不動明王が載っています。
尊像の背中には「天保三壬辰(1832)年九月吉日/新長谷寺/宥辨造立之/石工源七」と、紀年銘、造立者の名前、そして石工の名前が刻まれています。(写真左横)
石柱が享保六(1721)年、不動像が天保三(1832)年とかなり時間差がありますが、石柱の左側面に「再興/天明九己酉(年)/(富多一郎)平(隆啓)/十月二十八日/願主/関口水道町/中屋三右衛門」の銘があり、右側面に「九月十八日(修)造之」「石屋/・・/・兵衛」の銘もあるので、石柱が再建、修造された後、尊像が奉造されたものと思われます。(*天明九年=寛政元年 (1789))
不動尊像、石柱の両方に石工の名前が刻まれていました。通常、願主や世話人の名前は刻まれますが、職人が自分の名前を作品に刻むのはほとんど見かけません。大変珍しい例です。


ライトアップでおめでとう(2025.01.01)


年末から年始にかけて新宿西口の中央公園近辺でライトアップが行われました。写真はそのうちのほんの一部です。上=新宿パークタワービル庭園、左=新宿中央公園・水の広場、右=ヒルトン東京の入り口です。