公開掲示板 投稿体験集  
  -情報交換の場にしましょう- 

 集合住宅の大規模修繕工事は今後ますます増加するでしょう。しかし、それを担当する住民はほとんどが素人の筈です。いつ何をしたらいいか、どのくらい費用がかかるのかなど、全く分からないのが普通です。

 そこで修繕工事を体験して各種の情報をもっている方の情報交換の場として、このホームページを開放することにしました。御自分の体験例や役に立つ情報、現在進行中で困っていることなど、これから修繕工事を始める方に参考になる情報をお寄せ下さい。

 原案を作成し公開内容を確認いただいた後に、HTML化して掲載いたします。その際、名前、所属、メールアドレスの公開の可否についてもお知らせ下さい。ただし他者の非難・中傷、企業宣伝など適切でない内容については掲載をお断りする場合があります。  

連絡は 管理者noppo まで。

多くの方からメールをいただいています。有り難うございます。
以下は2000.2 時点で了解の得られた方のメールです 



13.Mさん

はじめまして、Mと申します。

たまたま、貴サイトを拝見させていただきまして、興味深く読ませていただきました。

私自信、築5年のマンションに住んでおり、業務柄工事にもかかわりがあるため、メールさせていただきました。とりとめがない話ですが、よろしくお願いします。

玉田さんのところで強く感じたのですが、業者がどんな手を抜いても、一般の住人の方はわかんないですよね。私どもはまだ大規模修繕にはいたっていませんが、小規模改修はいろいろやっておるようです。ですが、理事会では質より価格が優先され、もっとも、内容に関する検証はおざなりのことが多いです。

私どもの物件は地下を含めた立体駐車場があるのですが、過去2回自動車もろとも水没しました。1回目は竣工翌年で50年に1度の大雨だったそうですが、一昨年100年に1度の大雨が降り、市内では死者も出たほどです。なんでも、市の配水管が1時間50mmぐらいまでしか能力がないらしくて、敷地から排水しても下水からオーバーフローして無駄なようです。実家は近くなので、この辺が土地が低く大雨だとしばしば冠水する地域であるのはわかってはいたのですが。問題は、その後も近隣に出来たマンションは、ほとんどが地下駐車場を有し、かつ防潮対策をとってないことです。デベはそういったリサーチはしていない証拠でしょう。

また、今年いっぱいまで管理会社をデベ系にお願いしてる(来年から独立系に変更します)のですが、対策として持ち込んだ見積は、すべて金がかかる割りに対策足り得ないものばかりでした。水没危険パレットの住人の方は、ともかく対策をと言うことで採用を希望されていましたが、そのときも「こちらの業者はいくら、こっちはいくら」という議論だけを管理会社が持ってきたので、私が先導して「穴だらけの計画だから、やるだけ無駄。」と否決させました。ハードの対策は今だ無く、異常降雨のときはパレットから車を避難させることで動いているのが現状です。

また、もっと小さい話で、防犯工事というものがあります。

最近はピッキング等の話題のせいで、カギを替えましょうという業者の飛び込みも多いですが、いいかげんな業者も多いようです。

腕が未熟

鍵屋さんは、公的資格がありません。ブームにあやかって参入した業者や個人が大手をふれる業界です。いいかげんなつけ方で防犯機器をつけてるため、実際に何かあっても用をなさないものも見かけます。

料金がばらつく

料金は業者によってばらつきます。選定する商品(シリンダー)単価にもよりますが、よく我々の考える一般価格の2〜5倍を払ったとおっしゃる方にお会いします。たとえば東急ハンズで13000円で売ってる程度のものを20000円ぐらいでつけるのが通常ですが、平気で8〜10万払ってる方もいるようです。

エンドユーザーの意識

TVでやってる対策番組は取材対象が小さいか偏ってる、もしくはちょうちん記事も多いのです。間違った情報をもってしまわれ、「TVでこれが良いって言ってたから絶対これ」と言われる方も多いです。

せっかくお金かけるのなら、ある程度費用効果があるものを選定していただきたいですね。」

 

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Mさま

お便りありがとうございます。

興味深く読ませていただきました。ご指摘のように、今のデベロッパーは、国際競争をしていないためでしょうか、顧客ニーズに対応していないと感じます。「素人を相手にして入るんだ、何をやっても分からないよ。」と言う声が聞こえそうです。それで成り立つ社会ができあがっています。不況で仕事がなくなってきて、最近は少しづつ変わり始めているようですが。

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Mです。

早速、ご返事いただきましてありがとうございます。

さて、愚痴をひとつ。

建設業は単価が下がってるので建てどきだとか言います。これは、仕事が無いので叩き合ってるだけで、原料費が極端に落ちたとか、躍進的な技術が開発されたわけではありません。少なくともマンション建設については。デベは、リストラ土地を安く買い上げて、こういった会社に単価押し付けてるのが現状です。ゼネコンは予算から自分の取り分を引いたところで下請けに押し付けます。

下請けはボコボコつぶれてるのに、ゼネコンは女子の大卒事務員でも、ボーナス2.何ヶ月か出てました(友人のこと)。デベはラスベガスに慰安旅行に行ってました(知った会社)。なんだかなー。

安い物件は、必ず何か手を抜いてます。低価格押し付けられた下請けは、どうにかコストを下げようとインチキします。重大な瑕疵にならないにせよ、プロが見ると、あまりのチィープさに笑みがこぼれます。最近は安さを売りにした物件も多いですが、以上の理由であまり住みたくは無いですね。地方と首都圏の差はあるとも思いますが。(「室内レバーは高級な木目調」とか言いながら、単価3000円ぐらいだったりします。)


12.東京の永尾さん

 空調、衛生、換気、消火栓設備の劣化診断を行っている永尾さんからメールを戴きました。参考になると思い掲載します。但し、私自身は業務内容を確認していませんので、お読みになった方の判断でお願いします。

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拝啓

 株式会社 グリーンデザイン研究所の永尾といいます。
 実例:大規模修繕12年目マンション改修工事 全記録建物の資産価値を維持する大切 な工事のホームページを見まして、当社の豊富な実績と経験でお役に立てることがある かと思いご連絡いたしました。お気軽に御連絡下さい。

 近年、新規建築案件の減少と共に、既存建築設備の見直し気運が高まり、劣化診断の 要望が急拡大しています。建物の寿命に比べ、設備の寿命は15年から20年と言われ、 空調設備、衛生設備、配管設備ともに築10年から15年頃に様々な不具合が発生し、 25年を経過した頃には能力低下、漏水、故障発生率の増加、建物自体が時代のニーズに 合わない(OA機器増加による電力容量不足、空調不足、及び個別分散化への対応不足な ど)などから、建物環境の低下、入居事務所、テナント等の流出、自社ビルの場合業務 の能率低下などにあらわれてきます。

 当社はこの業務に既に十余年の経験と豊富な実績により、設備の診断を行ってきまし た。ターゲットとしても、更新、改修の決断をされる、オーナー、トップの方々に分か りやすい報告書というコンセプトで、やたらデーターや各種専門診断機器の分析数値を 羅列して分厚くしたものを極力避け、素人に分かりやすくかつ簡潔な結論を目指してい います。
 とかく診断は高価で、その予算を工事金額に回した方が有利という先入観を打破する ためにも、予備診断、一次診断、二次診断と段階をふまえ、無駄な調査を省く努力をし ています。

 工事業者ではないため、受注のために診断内容をゆがめ、改修工事を早める必要があ りませんので、施主側にとっては、安心いただけると思います。

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                     私たちは建築設備調査を行う会社です

ホームページアドレス:http://www.gdi-japan.co.jp/
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                  空調、換気、衛生設備に関する各種調査

------------------------《調査の目的と必要性》-------------------------------

● 建物・設備の資産価値の減少を起こさせないよう措置することが重要な課題と
なっており財産の維持保全が良好な管理運営にもつながるものと判断されます。

 建築物は耐用年数が長期間(60年)であるため、財産の維持保全を図り、機能を維持
するには計画的に適切な修繕を実施し老朽化した部分の機能回復を行う必要があります。

 調査は建物の用途を考慮し、実状を充分に把握し、以下の理由の元、設備診断を行う
ものです。
     ┌───────────────────┐
     │1.建物・設備の安全性の確保      │
     │2.財産(建物・設備)の維持保全    │
     │3.快適な使用環境の確保        │
     │4.効率的な修繕計画の策定       │
     │5.建物・設備の改善などの参考にするため│
     └───────────────────┘

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● 当社のビルディングドクターが、豊富な経験とノウハウで 以下の方法で調査した
  データを元に診断いたします。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◆空調・衛生機器劣化調査:目視、外観、能力、銘板、保守記録、各種データ測定┃
┃◆配管設備劣化調査   :目視、外観、肉厚測定、内視鏡観察、漏水補修記録 ┃
┃             抜管調査(配管サンプルを取り縦割り酸洗いによる ┃
┃             内部調査)配管腐食成分の分析などを行います。  ┃
┃◆配管路・ダクト系統調査:経路、図面作成、漏水、静圧調査         ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
       
 ※1 調査後の改修提案書、基本計画書作成もお引き受けいたします。
 ※2 調査報告書、改修提案書、基本計画書作成は英語、フランス語も可能で、
   顧客へのプレゼンテーション、質疑 応答にも対応します ので、外国公館、
   企業向けのアピールができます。

〓〓〓〓 当社の劣化診断業務は空調、衛生、換気、消火栓設備が主です 〓〓〓〓

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       株式会社 グリーンデザイン研究所
       担当者:永尾良一 TEL03-3369-6841/FAX03-3365-7986
                        mailto:setsu@gdi-japan.co.jp
      打ち合わせ、お見積の依頼は電話、FAX又はE-mailでお願いします      
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11.東京の玉田さん

 大規模修繕工事の業界では、激しい競争から工事の質の低下、職人数の減少など危機的な状況が起きているそうです。玉田さんはその現状を変えようと、ユーザー(マンション住民)に実情を知ってもらう活動を始めました。
最初のメールと、送っていただいた活動の資料の一部を掲載します。(2000.2)
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はじめまして、私は東京都内で防水工事業を営んでおります玉田と申します。
本日は、長谷部さんに工事会社の実情を知っていただきたいと思いメールをお送りした次第です、御忙しい中少々お時間を頂きご検討いただければ幸いです。
本題に入る前に一つ申し上げておかなければならないことがあります、私は大規模改修工事を受注したいのではないと言うことです。

問題
近年、建築業界において職人が激減しております。エンドユーザーの方々の眼に止まるような重要な事柄では無いかと思いますが、我々工事会社(職人雇用主)にとっては死活問題であり、一大事でございます。

原因
このような事態に陥ったのは大規模改修工事等での低価格競争が勃発し、その価格が私共のような零細企業にまで飛び火し、その価格が業界の相場になり始めたことに起因しております。

現状
大規模改修における下請けの低価格対応の実状!
 (1)材料の塗布量(塗り工程を1回以上無くす等)を減らす
 (2)下地調整・補修の数量を意図的に減らす
 (3)下地調整・補修の品質を落とす
 (4)職人の低賃金化(作業員の増員)
 (5)追加数量は無視(最低必要工事だが見積り項目には無い)
  つまり契約内容とは異質な商品が納められている事が大多数の現場で起こっている現実をご存知ですか。

打開案
「エンドユーザーに防水等の工事の啓蒙活動が必要」
何を どう訴えるかが課題です。そこで、職人の製造プロセスを形にすることに決め、2年前より現場の品質管理(社内ISOではない)に着手し、第一段として屋上防水工事のウレタン塗膜防水に照準をあて作業を進めてまいりました。199910月で現場の品質管理項目が出来あがったのを機会に、同年12月にメンバーである職人さんによる中間発表会を行ないました。
この問題点をまず、業界に問いたかったからです。
報告会のテーマは「塗膜防水品質管理システム 中間発表」としサブテーマに「近代 職人への変革」と題し職人さん達に発表していただきました。
来賓の方々は
 (1)設計事務所
 (2)マンション管理会社
 (3)ウレタン・塗装メーカー
 (4)同業者
 (5)職人
 (6)商社
 (7)報道関係者  合計66名(添付書類参照)

報告の概要は(株)テツアドー出版の月刊「リフォーム」 2000年2月号の88〜89ページに記載されております。
品質管理の詳細は、(株)工文社の「建築仕上げ技術」(月刊誌)2000年2月号より3ヶ月程度連載されます。
また、大手管理会社で今年2月に同じ説明を工事管理スタッフ・営業スタッフ・協力会社の経営者(総勢100名程度)にしてほしいとの依頼を頂きました。

何とか同業者や管理会社に反応が出始めました。
しかし、私が望むところのエンドユーザーへの啓蒙活動はまだ白紙の状態です。

お願い
業界での啓蒙はいま始まったばかりです、しかしエンドユーザーに対する啓蒙方法が解りません。昨年 日住協にお伺いし「業者サイドからユーザーに改修セミナーを催してほしい」とお願い致しました。しかし、一業者ではだめだと断られました(営業活動の助勢になる)。
私 1個人の力では たいした活動もできません。しかし ユーザーに職人の必要性・重要性等をご理解頂き、職人がこの業界で生活でき、若い職人の育成に励み、夢を抱けるような職場環境をつくってあげたいんです。我々工事会社の存在価値の一つ「一流の職人を教育、育成し世に出す事」だと確信致しております。

“長谷部さん 何か良い案がありましたら お教え頂きたいのですが。”

突然のお願い事に困惑されたかもしれません。どうぞお許し下さい。
ご一報をお待ち申し上げます。                                         
 敬具

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私の返信は省略します。なぜなら、このような大きな問題に対して、まともな返答が出来なかったからです。皆様に協力をお願いします。
続いて送っていただいた資料の一部を以下に掲載します。
職人さんのチームが作成、発表したそうです。スライド形式になっていますので、主な項目のみを示します。詳しくは、玉田さん (tamada@blue.ocn.ne.jp)へ問い合わせて下さい。

プレゼンテーション資料「近代職人への変革」

目標
 職人の育成と地位向上(感覚+数値管理+共存共栄)
 ポイント
  1. 利益よりも人材育成
    技術・技能面+本質・原理面(速さより確実性)
  2. マニュアル指導
    技術教育・作業手順等を一元化(誰でも一定品質以上)
  3. 定期点検
    作る→作ってから(技能面の改革・改善)
  4. ユーザーにPR
    作るプロセスを観覧等してもらい、認知していただく

概要説明
 ・屋根下地調査マニュアル…調査項目・方法・分析
 ・作業手順マニュアル………道具・工具・作業手順等
 ・現場品質マニュアル………記録項目・方法・分析
 ・現場在庫管理マニュアル…現場搬入材料等
 ・現場公開……………………ユーザーアプローチ
 ・アンケート調査……………好感度・技術レベルの確認
 ・定期点検マニュアル………チェック項目と問題点の分析
 ・トラブル対応マニュアル…商品上のトラブル解消
 ・ユーザー対応マニュアル…居住者等と仲良くつきあう
 ・上記項目をすべて職人が参画しマスターする

以下は大項目のみ

下地補修技術情報
ウレタン防水技術情報
環境ISOに対応(現場)
環境ISOに対応(社内)
チーム構成/必要な設備・環境
品質管理項目
スケジュール
現在の進捗状況
品質管理評価



10.東京の秋元さん

 地域限定型のマンション管理に対して支援する専門家集団のお便りです。メーリングリストを使い、業者と敵対するのでなく、ネットを組んで協力しようという試みです。(1999.12)

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NPO FUSION長池の住宅管理支援チームの秋元ともうします。

多摩ニュータウンでこのほどNPOの認可を受け、ニュータウンにある団地の管理組合で協力しあいながら自らの自助努力によって資産管理やコミュニティ推進を図っていこうとしています。

とりわけ、大規模修繕は大きな問題で、設計施工の癒着体質のない環境を作っていこうとしています。
そんななかで、多くの事例が参考になりましたし、今後とも活用させていただきたいと思います。
よろしくお願いします。

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長谷部さんこんばんわ。

秋元@NPO・FUSION長池 住見隊です。

早速のお返事、ありがとうございます。

長谷部さんのHPを見ていても感じるのですが、マンション管理というのは全国レベルで話が出来る部分と、地域というかエリアによって特定の条件、例えば業者や気候などによって限定される状況があるように思えます。
私たちがやり始めているのは、地域限定型のマンション管理全般に対する住民が組織 する住民のための住民による支援組織です。今、ホームページ作りも進めていますので、その時になったらお知らせします。

方法としては、基本に団地管理組合同士のメーリングリストを育てることから始めて、情報交換をしながら対応していくのです。当面は利害が同じ団地管理組合員のみのMLで立ち上げようと思っていますが、そのうち、地域のガラス屋とか畳屋とかガス屋とか、業者も一緒に団地管理が出来るネットに拡大したいと思っています。

大企業のようにもうけ主義でなく、地域でゆっくりと生活するだけならば、業者も居 住者も仲良くバランスの取れた環境が出来るのではないかと思っています。もう、業者に敵対する時代ではないし、業者もだましても売ってやるという時代ではないのだから、地域で顔の見える関係で売り買いが行われていれば、そんな悪い人も出てこないし、コストもそれほど掛からないですむと思うのです。

そんなことを考えつつ始めています。

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秋元孝夫 takao@akimoto.com
〒206-0011 多摩市関戸4-7-8-1003
 TEL 042-337-5600 FAX 042-337-5599
(有)秋元建築研究所
 http://www.akimoto.com/company.html
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9.浜松のWさん

 浜松市にお住まいのWさんから、お便りをいただきました。新築入居後、なんと3カ月目に、自主管理に切り替えたそうです。大英断ですね。非常に興味ある情報ですので、特にお願いして、公開させていただきました。(1999.11)

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長谷部さんホームページ見ました、すばらしいです。
私もマンション問題には非常に興味があり時々検索するのですが、なかなかおもうようなホームページに当たらず失望していましたが、長谷部さんのホームページにアクセスできラッキーでした。

さて本題に入ります。
私は平成10年5月に新築8階47戸の分譲マンションを購入いたしました。
入居者の大部分(99%)が分譲マンションは初めての経験でした。
分譲会社(建設も行った)より管理規約を渡されて管理組合を設立の要請があり、会合を開きましたが、私以外の人はなにをしてよいのかわからないようなので(面倒な事はしたくないので下をむいている)、私が理事になりましょうと挙手をし、他4名理事もきまり 当然の如し言い出しぺの私が初代理事長になりました。
理事長になり一番最初に行った事は、管理費の使われ方がおかしい
1.エレベーター保守費(毎月点検年1回法定点検.フルメンテナンス)
2.管理人費(月.木.土.1日4時間)
3.火災報知器点検費
4.機械点検費(ポンプ等点検)
5.水道メーター検針費
6.管理費(?????)
以上以外にも、金額が高い意味不明の項目で、管理費および駐車料、ルーフバルコニー、 トランクルーム、専用庭使用料などの合計金額がすべて管理会社に行ってしまいます。 管理会社と交渉をする為にいろいろ調べる内に、自分たちで(管理組合)手配をすれば安くなる思い、理事会にて検討しました。他理事も諸手を上げ賛成いたしました。
まさか自主管理を行うなんて思ってもいませんでした。

手配で一番大変なのはやはりエレベーターでした。
私どものマンションのエレベーターは、T社製の油圧式エレベーターで、私どもの町(浜松市)は田舎なので、エレベーター点検を行える業者は少なく2〜3社でした。
点検業者に電話を入れ見積依頼をいたしましたが、すべて断られました。
間違いなく談合が行われています。施工メーカーが保守点検を行うという談合が(怒りを感じました)。
色々の業者と話し合いのなかで、S警備保障との折衝中に(S警備とは火災警報と受水漕減水警報の契約)金額はこれ以上引くことはできないが、エレベーター点検もさせていただければ合計金額で安くします。
これは私どもとしては願ってもないことでした。S警備もエレベーター点検を請け負っているんです。
保守点検で一番安くなったのは火災報知器点検費です。管理会社の金額の3分の1でした。あまりにもひどすぎます。
管理人さんはシルバー人材センターへお願いし、管理会社と同等金額で月曜より金曜日朝8時より5時までいろいろ交渉、削除結果、管理費だけですべての費用がまかなえました。
この結果、駐車料(月4千円)、トランクルーム料等は全て修繕積立金に組み込むことができました。
修繕積立金は予想以上に積み立てることができ、将来行われる大規模修繕にたいして、組合員も安心しています。
私は今は、管理組合理事は退きましたが(1年目にあまりにもする事が多く疲れましたので)、管理組合活動には興味はありますので時々検索していました。



 

8.横浜の河野さん

 横浜の河野さんから、マンションの長期修繕計画を作成した便りがありました。パソコンのソフトで作成できるそうです。
必要な方には、相談に乗って戴けるそうなので、下記に連絡して下さい。但し、 内容(作業量)によっては、有償になりますのでよく相談してみて下さい。
 builtech@ha.bekkoame.ne.jp

 ソフトを使うことになった経緯と効果が分かりますので、少し長いですが、河野さんのメールをそのまま公開します。

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はじめまして。私は神奈川県横須賀市在住の河野修一と申します。
長谷部さんのHPを拝見しましてメールいたします。

 まず、自己紹介をしておきますが、私は現在43才で小さいながら設計事務所を経営しております。ただ、普通の設計事務所と違って、新築物件はいっさい扱っておらず、現在までは建物の耐震診断ばかり行ってきました。

 ご承知かとは思いますが、耐震診断というのは、主に新耐震以前に設計された建物に対して、その耐震性を再検討するという仕事で、その建物の耐震性が基準より低ければ、続いて耐震補強設計を行ったりしています。しかし、こういうことが成されている建物はほとんどが学校等公的な物件ばかりで、マンション等の一般的な建物についてはほとんど行われていません。

 これは費用の問題が一番大きな点なのですが、耐震診断に掛かる費用よりも、むしろ、耐震診断をして補強が必要となったときに補強工事費が莫大な金額になるということが大きく影響しているように思います。これは、もし地震が起きれば一番に人的被害が出るであろう住宅に耐震診断が行えないという不合理を示しています。

 私自身耐震診断を仕事とするようになって、10年近くになりますが、当初は、地震の被害から建物・人命を守る仕事であるという自負心も持てるし本当に良い仕事だと考えていました。しかし、これまで100棟以上の耐震診断を行ってきても、民間マンションの耐震診断というのは皆無であり、最近はこの点について疑問を感じ始めていました。

 そんなとき、私にも自分が住むマンションの理事のお役が回ってきたのです。そして、自分が住むマンションの管理状態を知ってみると納得できる点がたくさんありました。私が住むマンションは築20年が経過しており9年ほど前に大規模修繕を済ませていましたが、それでも最近では鉄筋爆裂・漏水等が目に付くようになり、2〜3年後には再び大規模修繕を行わなければならないような状態です。しかし、なにしろ築20年の建物ですから大規模修繕まで待てずに修繕が必要になってくる箇所が発生し、その度に結構な出費となるので、思ったほど修繕積立が貯まらないのが現実です。

 でも、2〜3年以内には大規模修繕を行いたいという要求はあるわけで、そのための修繕積立金の見直しが検討されたのですが、ここで不思議に思ったことがあります。それは理事さん達の誰も目標金額に関する具体的な考えがないのです。「以前の大規模修繕にはこのくらい掛かったから、今回もこれくらいだろう。」「だからこのくらい修繕積立金を増額すればいいんじゃないか」などという感じで、話は進行していき、結局は各戸があまり負担にならない金額で増額し積立金の貯まるのを待って業者に見積を取ってみようということになりました。ここで問題になってくるのは、当マンションには適切な長期修繕計画が存在しないということです。

 そのことを理事会で発言すると、「それじゃ、河野さんなんとかしてよ。」ということになり私が長期修繕計画を作ってみることになってしまいました。しかし、建築構造に関することならある程度わかってるつもりですが建物のメンテナンスコスト(MC)に関しては門外漢ですから、どうして良いかさっぱりです。そこで、恩師に相談したところ、マウスというソフトを紹介されました。

 このソフトは「建築MC解析」、「設備MC解析」、および「マクロ機能分析」の3つから構成されており「建築MC解析」と「設備MC解析」は維持保全のコスト解析で、現状目視調査や聞き取り調査を行って、主として部材や機器の劣化変状・異常に基づいて中長期的な維持保全費を予測するプログラムとなっています。また、「建築マクロ分析」は変状や異常の程度をいろいろな視点(耐久、安全、快適、使用)から見る”機能分析”のプログラムで、現状目視調査データに加えて建物の属性、立地環境あるいは使用環境も考慮されるようになっています。

 いろいろと悩みもしましたが、他に良い手段も見つからず、最終的にはこのソフトを用いて長期修繕計画を作成することができました。その後、理事会で報告することになりましたが出力結果がカラーのグラフで出てきたりして建築には素人の理事さんにも分かりやすいため概ね好評で、修繕積立金の見直しを適切に行うことができました。

 今回、メールを差し上げたのは、長谷部さんのHPを拝見して他にもこういった問題でお悩みの方がいるのではないかと考えたからです。もしも長期修繕計画を見直したいという方がいるのなら微力ながらお役に立ちたいと考えています。お察しの通り、もしも需要があるのなら私の経営する会社で商売にしてみたいという色気があるのは事実です。しかし、耐震診断よりも長期修繕計画を適切に作成して建物の健全な維持保全を行う方が世の中のためになるのではないかと考えていることも事実です。

 何事も理想と現実は一致しませんが、建築に携わるものとしては、バブル期のように雨後の竹の子のような建築ラッシュはとても健全な姿とは思えません。今後の膨大な建物ストックを適切に維持保全していくことこそが大切だと考えています。

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 HP公開に当たっての河野さんのコメントです。

 ビルテックは建物の診断調査専門会社です。これまでに、公共建物を中心に耐震診断、補強設計、建物MC解析などを数多く手がけてきました。
今回は、マンション管理を行っていく上で欠かすことのできない建物MC解析についてご紹介します。

 建物MC解析とは建物の維持保全を行う上で必要となる中・長期の維持保全費用:Maintenance Costを解析することを指しています。一般的に分譲マンションの場合だと、購入時に今後20年間の維持保全費用などが一覧表にして示され、修繕積立金の使途が説明されます。しかし、その後は管理会社などにまかせっきりである日突然、大規模修繕の為の各戸負担金などが出てくるわけです。

 長期修繕計画については一定時期(5年程度)毎に見直すことが必要であり、その理由としては物価の変動、建物の経年劣化等々が考えられます。ところが現実には一定時期で長期修繕計画が見直されているケースというのは少ないようです。やはり、長期修繕計画を見直して修繕積立金が値上げされたら困るという意志が住民側、管理側双方にあるのではないかと思えます。

 ビルテックでは第三者的な立場から、現地調査に基づき詳細なMC解析を行っています。解析内容としては、建築MC解析・設備MC解析・マクロ機能分析に分けられます。

・建築MC解析

・設備MC解析 ・マクロ機能分析  ヨーロッパでは一つの建物を数百年使うことも珍しくありません。これは風土は違えども日本においても適切な維持保全計画があれば可能なはずです。
費用等なんでも御相談に応じますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

 連絡先 builtech@ha.bekkoame.ne.jp
  〒224−0041
  横浜市都筑区仲町台1−2−32
  ロイヤルシティ401
  有限会社ビルテック
  045−945−3693




7.匿名さん  

   施工会社の現場監督の方からのメールです 1999.6
   なるほど住民側も、反省することが多いですね

 ホームページを拝見させて頂いて驚くほど感心が有ると実感致しました。
実は私はここ数年間、公団分譲、民間分譲の大規模修繕工事を担当していた施工会社の現場監督です。工事期間中の居住者の対応、広報の事、バルコニーの使用制限の問題等、居住者サイドに立ってのご意見、感想には、今後の参考にさせて頂くべき所がとても解りやすく勉強になります。

 さて、工事会社、工事担当者側から一言。
残念ながら、修繕委員会、管理組合以外の方は工事に関しては半数以上の方が無関心です。バルコニーの物置を移設するのが面倒だから防水工事はしなくて良い。ドアを開けるのが嫌だから塗装しなくていい。犬を飼ってはいけない筈なのに、防水工事中犬のトイレはどうすればいいのかってまで問い合わせが来るんですよ。防水をしないと階下の居時従者の方に迷惑が掛かりますよ。
って言ったところで、今まで迷惑はかけていない。これから先何年後に漏水するのか?とまで問われる始末。施工者サイドとしてはホトホト疲れます。

 本来、デベさんなり、コンサルなり、設計なりが十分に説明して管理組合が住民をまとめてから掛かるべきだと痛感します。
工事のお知らせ、掲示板の内容、工事期間の曖昧さ、すべて工事者サイドとしては逃げの効くように作成してしまいます。何故なら、その日に工事に入らなかった時、バルコニーが使える日がずれた時、火のつくようなバッシングを経験しているから。

 普通、戸建ての住宅での改修工事では考えられない事が起きているのですよ。 このメールを読まれた方だけでも結構です。工事の内容を居住者の皆様に十分伝えて頂きたいと思います。
又、業者が決定して住民説明会の時に監理会社から「手抜きの無い様に厳しく監理致します。」との挨拶があったときに住民が拍手するのはやめましょう。少なくともこのご時世、手を抜いた、工程を省いたからいくらになるかより評判のほうが怖いのです。業者不信は過去に問題があるにせよ、ほとんどの業者は採算ギリギリまでサービス仕事をする時代なのです。もっと信用してみてはいかがですか。

 古い考えの「大工様と御施主様」の考えが当てはまらないにしろ、善いものを造るという意識を住んでいる皆が持つことが一番大切なのです。施工業者だって、コンサルだって気持ちさえ伝わればいい仕事はする筈です。

 この先大規模修繕を迎えられる管理組合、修繕委員の皆様の御健闘を祈ります。綺麗で長持ちする建物に生まれ変わります様、心からお祈り申し上げます。



 

6.Sさん

 このHPをご覧になった埼玉のSさんから、ベランダの荷物を撤去しない人がいて、工事が出来ず困っているとの相談がありました。

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まず、Sさんの相談メールから

長谷部さん はじめまして

この度大規模補修工事(4月〜6月)にあたり理事長になってしまったSと申します
このHPは管理会社の方に参考になるので、是非見てくださいと紹介いただきました

私どもは25戸に満たない小さなマンションですし、皆さん大人ですので修繕積み立ての大幅(超がつきます)値上げや今般の工事につきましてもご理解をいただき、まずまずの滑り出しと思っておりましたがやはりそうは甘くなかった

HPにもありましたがベランダの問題です
荷物の撤去拒否です(1名ですが)

「個人ではやるつもりはないから勝手に(施工会社側)やってくれ」

○撤去しないと工事できない
○外部に頼むと経費がかかる(かなりの量)
○経費は積み立てから出すのか?

など様々な問題が残ります

近々に理事会より申し入れる予定ですが、拒否された場合、臨時総会(協議会)にかけるつもりでおりますが、こうなりますと当然周知の知るところとなりますし、人間関係にも影響が出るのは必至です
できれば内密に収まればと願っておりますが・・・

アドバイスや解決のアイデアがありましたら、長谷部さんをはじめこのHPをごらんの皆さん是非お教えください

宜しくお願いいたします

<お願い>
器械音痴の私でもHPを見たりMailを書いたり出来る時代です。当マンションの住人の方もこのHPをご覧かもしれませんので(過の氏も)出来ましたら匿名にしていただけないでしょうか?

今後も宜しくお願いいたします

○○○ 理事長

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以下の返事と同時に、HPにメールをいただいた方に相談しました。

S様
 外壁塗装工事は建物の耐用年数を延ばすための工事です。個人の都合で共有部分であるベラ ンダの工事が出来ないと建物全体の寿命が短くなります。その場合の保証は個人で出来るので すかと迫ってみるのも手です。他の人に波及したら大変ですから、念書を取るぐらいのつもりで話し合ってもいいのではないかと思います。

 この件について、私のHPにお便りを寄せてくれた人にメールで相談します。HPに公開しても緊急の返事は期待できませんから。もちろん匿名で相談します。
いい情報が来たら連絡します。

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上記のSさんのメールを今までに連絡を頂いた方々に転送しましたところ、以下の方々からアドバイスが寄せられました。順次紹介いたします。

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まず、熊本のKさんのメールから

長谷部様

同様の問題は、現在我がマンションでも、発生しております。
一件あります。

正直な話、この方は、トラブルだろうと、昨年の7月から思っていました。 現在その通りになっております。(わかっているならなんとかしろ!)

現在までの作戦は
1.広報で知らせる≪10年07月・・法律違反だあ・とさりげなく≫
2.広報で知らせる≪10年10月・・他のマンションの例・でさりげなく≫
3.説明会で知らせる。アンケートで知らせる≪10年11月≫
 3-2業者選定のとき、最初からベランダの片付に協力することを条件にする
  これに関しては、広報には載せておりません。皆あてにするから
4.総会で知らせる((口頭で、お願い))
5.広報で知らせる((業者からと委員会から文書配布・・×計3〜4回))
 5-2掲示で知らせる((業者からと委員会から掲示×計3〜4回))

M. K - 3 - 
バルコニー作戦 その(1)
 熊本市の大型ゴミを捨てる日を活用!
バルコニー作戦 その(2)
 業者の提案で、ゴミすて用ダンプを用意!((実はサービスを見積条件にいれてあった))

業者ゴミ捨て日には、業者から3人と委員が準備していたのですが手伝ったのは、2件だけでした。一件をのこして、これでほとんどなくなりました。

のこった、この方には
6.委員長と委員が直接お願い
7.業者と(3人)委員(2人)で直接お願い。((業者と委員会有志が手伝うからと))

注・修繕委員長であって、理事長ではありません。つまり理事長が出ていって拒否されたら、後の手段がなくなってしまいますので、他の人間で対応しております。((今のところは・・・))

現在ここまでです。
たぶん明日の施工協議で、最終対応を協議することになるでしょう。((バルコニーの防水直前です。))

>>○外部に頼むと経費がかかる(かなりの量)

いくらカネがいるのか、見積を取って調べるべきと思います。

>>○経費は積み立てから出すのか?

見積額をみながら、考えるべきと思います。それをどうするかは、当事者の管理組合でしか解決できないと思います。

うちのばあい、サービスを最初から条件にしました。≪ただし、管理組合が協力する前提で≫

>>人間関係にも影響が出るのは必至です
>>できれば内密に収まればと願っておりますが・・・

プライバーシーや人間関係の問題はあると思います。一番頭が痛いところだと思います。 人事ではありません。私たちにも現実に問題が起こっています。

個人的には、開き直るしかないと思っています。≪私たちの場合≫よりどころは、

権利の行使及び義務の履行は信義に従い誠実に之を為すことを要す。民法第一条第二項≪信義誠実の原則≫
です。
同様の規定は、管理組合規約にもあります。

>>アドバイスや解決のアイデアがありましたら長谷部さんをはじめ このHPをごらんの皆さん是非お教えください

アドバイスというよりも、私たちがやろうとしていることは、一人ではやらない。必ず複数の人間で対応しようということです。ひとことだけいえることは、

Sさん!貴方だけ困っているのではありません。私たちもいま困っています。

なんか自分に言聞かせているみたいですが・・・・ほんと、頭が痛いです。
裏の話は、山ほどありますよ!

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札幌の寺地さんから戴きました。

長谷部 様

札幌発 マンション大規模修繕の全記録
http://netpassport-wc.netpassport.or.jp/~wntera/ の、寺地です。

このようなことは、必ずあると言ったほうが良いのではないでしょうか。
似たようなケースで、1階の専用庭の植木も、問題になります。

私のマンションでは、大規模修繕に際し、2年くらい前から、総会の場で、事前に周知活動をしてきましたし、工事直前の説明会でも、多くの質問が出ました。

ベランダに置いてある荷物を、取り込む場所がないというヒトのために、管理会社が、貸倉庫を準備もしました。(もちろん有償です)

ご質問のマンションでは、工事に際して新しく理事長になったばかりで、文章からは、これまでの経過が分からないので、予断で書きます。

まず、事前の説明が不十分だったと考えられます。事前に説明をしたのかも知れませんが、 本人が欠席していたとか、配布文書を読んでいなかったケースも考えられます。

いずれにしても、本人が、以下のことを理解していないと思われます。

不十分だったのなら、工事が始まってしまっている今からでも、説明を試みるべきです。

>○撤去しないと工事できない

第一に、ベランダは共用部分であり、原則としてものを置いてはいけないこと。
 このことについては、常識と思われるので、これ以上書きません。

>○外部に頼むと経費がかかる(かなりの量)

第二に、大規模修繕は、区分所有者総意の決議で決めたことで、
 個人でやるつもりはないということは、法律に照らして、許されないこと。
 ただし、やる時間がない、労力を出せないというのは、別の問題です。
 それは、施工会社なりが、手を貸して、もちろん有償で、処理すべきです。
 かなりの量と言っても、所詮ベランダです。
 施工会社か、運送会社(黒猫など)に見積もらせれば、すぐに結論は出ます。

>○経費は積み立てから出すのか?

第三に、このような経費は、あくまで個人負担であること。
 公共工事などでは、「ごね得」という言葉があります。
 納税者の顔の見えない税金と違って、
 修繕積立金は、区分所有者26人の汗の結晶です。
 そこから、こういう費用を出すことは許されません。
 この方が、我がままを通したら、マンションに住んでいられなくなると思います。
 そういうことに、気がつかないで(以上のことを知らないで)
 「撤去拒否」という言葉が出てきたのだと思います。

つまり、基本的な考え方は、こうです。
 「そんなことを誰も教えてくれなかったじゃないか。
  そうか、そういうことなら仕方ないな。
  費用は私が出すしかないのだな。」
と、自身の口から言わせるように、きちんと説得するべきです。

喧嘩腰になってはいけません。

>>拒否された場合、臨時総会(協議会)にかけるつもりでおりますが

心の中に、こういう気持ちがあると、説得ではなくて、喧嘩腰になります。じゅうぶん注意してください。
人間関係に影響必至では済みません。
臨時総会を開催すれば、正論(反対意見)が多数を占めるでしょう。これをやると言うことは、マンションから出ていってくれと言うのと同義です。そうしたことを、(脅しでなく)この方が望んでいるとは思えません。彼の立場に立って、誠意を持って説得してください。

>>できれば内密に収まればと願っておりますが・・・

内密ということばは、必要悪かも知れませんが、好きになれません。円満に解決したいというふうに置き換えましょう。

私のマンションでは、1階専用庭の立派な植木を移設してもらったケースがあります。 (足場を建てるためのスペース)
工事の1カ月前の説明会でその必要性を訴え、工事担当者を呼んで、どの植木に足場がぶつかるのかを、検討させ、住人みずから、日曜日に汗を流して、植え替えました。

専用庭も、使用権を貸しているだけであって、庭そのものは、管理組合の所有物です。

以上のいきさつについて、私のHPが参考になるかもしれません。
 ジャンプ編(工事の実際)
および
 監理者からのお知らせ
などを、参照ください。

取り急ぎ、思いつくままに。

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東京のOさんから

お世話になっております。Oです。
すばらしいnetworkですね。

さて、下記内容について、私なりに回答させて頂きます。

課題「ベランダの荷物撤去」
切り口(見方)を変えてみましょう。
ベランダの状況が分かりませんが、ふつう非常用避難通路としてスペースを確保 していなければいけないと思います。我がマンションにおいても、「使用細則」に おいて確か明記されております。
(消防法?/避難通路の2方向確保。玄関&ベランダ) ということは、本来そんなに大きな荷物などは置けない、と言うことになるのではないでしょうか。
まず、この辺の見直しを全ての居住者にアナウンスしたらいかがでしょうか?
ベランダの構造にもよりますが、自分のベランダだから良いという考えはできない場合もあります。隣のベランダの壁を破って避難する構造もあります。 (我がマンションは、この構造です。)

その後、どうしても人手不足などで本人が撤去(移動)できないのならば、 近所つき合いと考えて総会などでアナウンスして、お手伝いとか考えてはいかがでしょうか。

参考になれば幸いです。
結果報告を楽しみにしております。

では、また。

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長崎のMさんから

長谷部様ご無沙汰しております、Mです。

大規模修繕に携わられておられる理事長さんからのご相談も深刻のようですね。どこのマンションにも権利は主張されても、義務は守ろうとはしない方がいらっしゃるようで少し寂しく感じられます。

基本的にベランダが共用部で専用使用権が設定してあると仮定して意見を述べさせて頂きます。もし、私が当事者(ご相談の理事長)でしたら、その方(ベランダの使用者)にベランダは共用部分であり、管理組合が管理している事を再確認して頂き、修繕工事がどのような意味合いを持ち、是非とも必要である事を管理会社・副理事長を同席頂き、理事長として再度お願いします。その時、お聞き入れ頂けないようであれば、状況を居住者の方へお知らせしなくてはならないと思います。居住者の方も、「お一人のわがまま」でマンションとして重要な大規模修繕に支障をきたすとなると、管理組合員の損益につながるからです。そして、管理組合の最大の仕事である「管理組合員の財産を守る」事にも大きな影響を与える事から、理事長として、毅然とした態度にて総会決議及び管理規約を遵守して頂くようお願いし、駄目のようであれば、法的措置も考慮した方が良いと思われます。その時、あくまでも一個人としてではなく、理事長としての立場にて対応するべきだと考えます。

最後になりましたが、当事者の理事長さんにもたいへんでしょうけれども、住民の為・自分の為・家族の為にがんばって下さるようお伝え頂ければ幸いに思います。私も、同じ理事長として応援します。

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リニューアル術開発協会のKさんからのメールです。

いただいたメールにありましたように、マンションのベランダは、実際に大規模修繕工 事をする際には、トラブルやクレームの比率が大変多いですね。
ベランダに置いてある荷物だけではなく、人工芝を張られている場合も撤去が必要な場 合は、所有者の個人負担が原則 ですので、トラブルとなることが多いと思います。

ベランダの荷物の移動についての流れは、
1. 施工者の調査(ベランダに施工に妨げとなるような物が置いてあるかどうかなど)
2. 移動のお願いチラシの配付(施工者に依頼した場合の費用見積を含む)
3. 上記チラシの回収(移動を自分でするか施工者に頼むか の記入をしてもらったも の)
4. いづれかの方法での荷物の移動
5. 施工者に頼んだ場合は、施工者からの請求
となると思います。

さて、Sさんの問題ですが、

建前論からいいますと
・ベランダの荷物は、個人負担で移動または、撤去してもらうということになると思い ます。

ただし現実には、物の量にもよりますが、施工会社のサービス(物の量にもよります が)で渋々ですが、やられていることも多いようです。これは、メールにも書いてありましたが、撤去しないと工事が出来ないという事情があるからです。いわば「泣き寝入り」ですね。逆の立場から言えば「ごね得」とでも言うのでしょうか。

「かなりの量」と書いてありましたので、おそらく施工会社も無料では、出来ないとい うことなのでしょう。
ここは、やはり説得を試みるということになるのでしょう。状況がなかなか思い描けず 的外れなことになるかも知れませんが、考えつくまま書いてみます。

・まずは、文書による申し入れということはせずに、直接会われるか、電話するなどし て説得されたほうがいいとおもいます。

・「頑固親父と物分かりのいい奥さん」あるいは、その逆であるような場合は、物分か りのいい方に申し入れる。

・ある程度の理論武装(管理規約など、バルコニー使用について)をして、原則論から 押す
ただし、あまり堅いことを言うと相手も意固地になる場合がありますのでご注意

・あまり使いたくない常套句ですが「他のお宅も同じようにやってもらっています」

などなど、あまりたいした、アドバイスになるとは思えませんがとりあえず書いておき ます。

と、ここまで書いて思ったのですが、メールをいただいて日数がたちますので、もう解 決しているといいのですが・・

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共同設計のTさんのメールです。

バルコニーの件ですが、
本来ならば、その改修工事の設計者が、いい知恵を授けてくださるはずなのですが...。

やはり、小さなマンションで、バルコニーのものを撤去しないことがありました。 最終的にその居住者は、空調室外機を撤去しませんでした。

その際、次のような念書を管理組合が取ったようです。
*引っ越す際には、今回改修できなかったところを、ほかの外壁面、床面と同じ仕様で、改修してから、引っ越す。
*漏水があった際、ほかの面は、防水しいているのだから、原因として一番怪しいのは、その住戸である。漏水の際は、責任をもって改修する。
*もし、次回の大規模修繕工事を行う際、バルコニーのものを移動する気になった場合、剥離する工事が、仕様が変わってしまうので、剥離工事費も別に徴収することとする。

実際には、撤去してもらうことがベストです。漏水などは、こんなところから?というところから、漏水するものです。この交渉のために、工期が遅れていくのは、目にみえているはずです。
そのあたりも含めて、説得にあたったらどうでしょうか。管理組合を含めて、居住者間のトラブルが広がると思われます。

また、それをどけるのに積立金を使うとなると、すでに、自費で撤去した居住者が黙っていないでしょう。

臨時総会でかけるのは、よいことだと思います。

すいません、私のわかる範囲でしか、お答えできません。

では。

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「マンション管理のあすをかんがえる学習情報」HPを運営している寺本さんからのメールです。

どこにでもありそうな問題だとおもいます。

一. 1年前に大阪府内のSマンションで工事を円滑にすすめた例はつぎのようなものです。
(1) 撤去ではなく,工事のための移動という表現にする。すなわち工事の問題と,共有部分としてのベランダの本来の使用制限の問題をわけてかんがえる。もちろん,説明にあたっては,本来の使用制限を説明したほうがよい。
(2) 移動の時期,費用については役員と本人の交渉にせず,業者にまかせる。業者が本人と交渉し,費用も業者が本人に直接請求する。積立金からは当然支出しない。業者とは十分に意思統一しておく。
(3) 周知期間を十分に設定し,上記のような方法をとることを全世帯に周知して理解を得ておく。掲示板などで理事会の方針をはっきりと表現しておく。

二. この問題にかぎらず,理事会が自信をもてないときは専門家の支援をうける。法律問題はマンション問題に経験のある弁護士や管理組合の団体に,技術問題は一級建築士などに相談し,その詳細を居住者に報告して納得してもらう。

三. 法律,技術以外の自治(人間関係,合意形成)の問題は現在,マンション問題の盲点になっています。みなさん大人のはずですが,住民同士が敵対したり,役員が引っ越したというような例もあります。この問題のばあいは,本人へのていねいな説得の一方で,そうした問題の存在を内密におさめるのではなく,全世帯の納得を得るための手段(前掲の掲示板など)をとる方法があります。ただしそのばあいも,非攻撃的表現をまもり,個人名は最後まで出さない方がよいとおもわれます。

以上です。この問題での反応を HP上で編集,公開していただけるとありがたいです。

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Sさんからのメールを20人ほどの方へ送ったところ、さっそく以上の意見が寄せられました。引き続きSさんからの第二報を紹介します。状況は厳しいようです。

長谷部さん こんばんは

ネットワークの凄さと、悩んでいるのは私だけではないことを実感しました
参考にいたしますありがとうございます

ところで今晩副理事長と二人で、書面を添えて申し入れにまいりましたが、居留守を使われたため(明かりがつき物音がしてました)自宅に戻り電話しましたところ、ご本人が出られましたので口頭でお願いをいたしました

「そのことはすべて施工業者に説明してあるから関係ない」
「私は腰を痛めているので自分でやるのは無理だ。だからすべて(施工業者が)やっ てくれと言ってある」
「どう説明されても(自分で)移動できないものは仕方がないじゃないか」 (物は解体中のオートバイとか)
「私もこの仕事をしたことがあるが、顧客の荷物移動などは施工業者がやるのが常識 だ。片方に寄せながら片面ずつやれば簡単だろう」・・・・・・・

札幌 寺地さんのご意見のように、喧嘩腰にならないよう冷静に(本当はキレていまし たが)お願いをしましたが、すべて話の途中で上記の様にかぶせられてしまい、ついに交渉1回目力尽きました

この方にはベランダが共用部分だろうが管理組合の資産だろうが、居住者の義務だろうが関係ないのでしょう
自分の荷物をなんで金払って移動しなくちゃいけないの?有償などもってのほか
でもちゃんと工事やらなかったら、工事費一銭も払わねーぞ−って感じですかね

と言っても施工日も26日に迫っております
理事会と施工者と管理会社と相談し”円満”解決を目指したいと思います
根気強くがんばるぞー(なーんちゃって・・・・・涙)

それではまた

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Sさんからの第三報

ベランダ問題の方は
施工者側では移動しながらの工事は可能だからやってもいいけれど問題は
1.荷物を移動しながらになるのでどうしても表面に傷がつきやすく完璧な仕上げを保証できない(防水本来の機能には影響ないと思われる)
2.荷物がアンティークバイクの部品のため壊したり紛失した場合補償できない(定価がないため補償額の想像つかない)

1については共有部分であるため組合との承諾書を交わす(案)
2が問題で施工者側もここが一番困るとのこと
本人と承諾書を交わす(案)・・・承諾するか?
現在これで準備を進めております
またご報告いたします

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Sさんからの第四報

ベランダの件、一度施工者・監理者に交渉のすべてを委ねてみました(住人同士の関与を一切排除・・・この方がスムースに交渉が進むかもしれないと考えました)

監理者より型どおりの「お願い書」(記録上必要)提出に並行して口頭での交渉(施工者談)

「○××さんの大事な荷物ですので、私どもも細心の注意を払いまして移動をさせていただきます。但し、毎回××さんの立ち会いで行いたいのでご協力お願いいたします。」

と、フレンドリー?な交渉を数回重ねたとのこと

○××さん談
「最初からそういってるのよ私は・・・
十分気を付けてね・・・・」

現在は外壁塗装にかかっておりますが、何とかうまく進捗しているようです。
(想像通り、半分は"ゴミ"だったため処理させられたとのことですが)

経費的には発生しないようです。
感謝の意を伝えると共に、工事終了までは十分に注意してくださいと再度お願いし、快諾?をいただきました。

現在はこのような状況です。



 

5.Nさん

 札幌で大規模修繕のHPを公開している寺地さんから、緊急のメイルが入りました。○市のNさんの所で工事中に塗料に含まれているシンナーによるアレルギー問題が発生したとの内容です。

 さっそく全国から有益な情報が寄せられたそうです。問題の内容も重要ですし、インターネットを使った対応も素早く、今後の参考になると思い一部を公開させていただきました。Nさん、寺地さん、公開の承諾を頂きありがとうございます。
 例によりまして、固有名詞は伏せてあります。また問題の内容が深刻ですから、関係する方への配慮から市名も伏せています。もちろん、詳細な内容は寺地さんがHPで準備中ですので、それが公開されましたらリンクする予定です。

 問題が発生した場合は、素早く話し合うのが基本です。しかし、この様な事例があるのですから、今後工事を予定しているところは、水性塗料の採用を主に考えておくこと、補償問題のために工事保険の内容を事前に確認しておくことをお勧めします。

 以下に、寺地さんの ”どなたか、お知恵を貸して下さい”メイルと、Nさんからの結果報告を掲載してあります。途中経過はプライバシー等の問題もあるため、公開の主旨ではないので省略しました。

----------------- ここから ------------------

マンション大規模修繕ホームページの寺地です。

ブラックカーボンコピーで、これまでにメールをくださった方全員に、このメールを送ります。

じつは、本日、以下のような、相談メールが届きました。わたしの返信とともに、ご紹介します。 どなたか、こういう事例をご存じの方がいらっしゃったら、どんなことでも、教えてください。

また、これからマンション改修工事をされる方、現在改修工事中の方、 こういうことも、起こりうるということで、参考にしてください。

内容が緊急なので、失礼をかえりみず、みなさまに、発信したことを、お許しください。

【1999/3/13 ○市より着信】

寺地様、

御無沙汰いたしております。いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

その後小生のマンションも順調にリフォーム工事が進んでいるのですが、やっかいな話が持ち上がって参りました。とある住人の方が(女性40歳独身)もともと喘息持ちだったのですが、発作が続き、医者に相談したところ、「シンナーアレルギーだろう」との診断をされたというのです。あと2ヶ月工事が続く間、断続的にシンナーは使用せざるを得ない状況のようで、現在彼女は自身の判断で近くのウィークリーマンションに避難しています。

施工業者の第三者賠償責任保険でカバーできるかどうか調査中なのですが、管理組合としてもどのような対応が可能なのか検証してみることになりました。

このような事例は他に報告されているのでしょうか。あるいは世の中にも類似の事例はあるのではないかとも考えられたのですが、○○建設の担当曰く、「永年やってるが、自分にとっては初めてのケースです」とのこと。

もしも何か知見をお持ちでしたら教えていただけないかと思い、お問い合わせ申上げるものです。治療費、あるいは工事期間中の仮住まいなどの費用補填という話になるとして、保険が効かないとすると管理組合も施工側も手詰まり、ということになりかねない懸念があります。

お忙しい所誠に恐縮ながら、お知恵を拝借できると幸甚に存じます。

では。

【1999/3/15 寺地より返信】

メールを拝見
たいへんなことになりましたね。

私もマンション改修での、こういう事例は聞いたことがありません。ただ、大いにあり得る話ではあります。

10年ほど前に、新築工事中に、隣のマンションにお住まいの方から、「とんでもないにおいだ、私を殺す気か!?」と、匿名の投書をいただいたことがあります。このときも、シンナーでした。

シンナーアレルギーという言葉は聞いたことがありませんが、有機溶剤による中毒は問題になります。 マンション改修は暮らしている器のまま、修繕するので、こういうことも起きるのですね。

有機溶剤を使わない、水性塗料という手段はありますが、もう、塗料も手配済みでしょうから、今からでは現実的ではありません。

>施工業者の第三者賠償責任保険でカバーできるかどうか調査中なのですが、管理 組合としてもどのような対応が可能なのか検証してみることになりました。

保険では、入居者や第三者に怪我をさせた場合は、賠償責任が生じて、保険の対象ですが、 たとえば、 工事に伴う騒音・振動で、情緒不安定になって、入院した、とか工事に伴う有機溶剤の使用で、シンナーアレルギーになって、引っ越したというようなケースは、聞いたことがありません。

>このような事例は他に報告されているのでしょうか。あるいは世の中にも類似の 事例はあるのではないかとも考えられたのですが、東レ建設の担当曰く、「永年 やってるが、自分にとっては初めてのケースです」とのこと。

類似の事例は、少なからずあるとは思います。ただ、こういうケースは、公開されていないと思います。私も、聞いたことがありません。

保険がきかないとすると、この責を、施工者に負わせることは難しいでしょう。むしろ、発注者側の指示で、塗装工事をしているのですから。

私も、何のお役にも立てなくて、申し訳ないのですが、私なら、施工の担当者とともに、損害保険会社に掛け合いに行きます。損保の世界は、先例のないような補償については、担当者の熱意で決まるようなところがあると常々聞いています。

上からものが落ちてきて怪我をするのも、 シンナーのにおいで具合が悪くなるのも、 同じように、賠償責任が発生するのではないかということを、管理組合としても、損保会社に強く要請してみることです。何もしないよりは、なんらかの回答が引き出せるかも知れません。

ごめんなさい。 わたしも、こういう事例をはじめて聞いたので、こんなことくらいしか、思いつきません。

続報を、また、寄せてください。 具体的な個々の対応策として、何かヒントを申し上げられる可能性はあります。

明日、竣工検査(建築指導課検査)を控えて、取り急ぎ、お返事いたします。ではまた。

------------------ 私の返信 ----------------

実例 大規模修繕 HPの長谷部です。

お役に立つかどうか分かりませんが、私のところの事例をお知らせします。

 防水処理を始めるとすぐに、臭いがひどいとの苦情が出ました。業者の方が、塗料を水性のものに変更して事なきを得ました。○市の場合は可能なのかどうかは分かりませんが、「長年やっているから.........」という理由で、対策を真剣に考えないのは、少々問題のような気がします。私たちの場合も、以前は出来なかったが、最近良い塗料が開発されたので、可能になったそうです。寺地さんは専門家ですが、いかがですか。

 補償の問題ですが、その点に入る前に、何とか対策を考えようという誠意を示せば、同じ住民ですから、こじれないと思いますが。工事現場に住んでいるようなものですから、少しは我慢しようという気になるようにつき合えませんかね。甘いかな。要は対応の早さと誠意を見せることだと思います。

 ピントはずれかもしれませんが、参考になればと思いまして、メイルしました。

-------------- 終結後のNさんのメール --------------

○○○コーポ○市のNです。

こちらは梅雨の終わりも近い蒸し暑さが感じられます。大変ご無沙汰いたしてお りますが、いかがお過ごしでいらっしゃいましょうか。

本日(7月4日)弊マンションでは定時総会が開かれ、その中で理事の交代と5月 末に終了した大規模修繕工事の総括が行われました。私も理事を退任することと なりましたが、この機会にシンナー問題で数々のご助言をいただきました皆様方 に直近の状況を報告申上げ、合わせてお礼を申上げたく筆をとりました。

3月に発生した事件のあらましはすでに皆様へご相談申上げているとおりです。

皆様からの貴重な助言により、判明したことは以下のように整理できると思います。
1) 保険求償を考えた場合、施設賠償責任保険に加入していないとかなり難し い。仮に加入していたとしても保険会社との交渉を経ないと即補償されるという ことにはならない。
2) 補償されることが確定したあかつきにも、因果関係特定のため医学的検査が 必要になることが予想される。抗体検査など、本人の負荷も相当程度生じる可能 性。
3) また補償限度額、足切りなどにより、いわゆる全額補償にならないことも常 識的に発生しうる。

直近の状況はどうなっているかと申しますと、工事終了後1ヶ月を経た現在も当 事者はアパート暮らしを余儀なくされていまして、つい先週もマンションへ来て みると体が匂いに反応してしまい部屋に入れなかったということだそうです。

ご当人はもともと近くの町の古い家にお住まいだったところ、ご兄弟の結婚で家 が狭くなるためマンションを購入したとの経緯があり、弊マンションでは比較的 新しい住人です。やや気になってはいたものの持病の喘息がシンナーでこれほど 悪くなるとは工事が始まるまで思わなかったようです。

理事会からの真摯な対応もあり、現在のところ一時避難にかかる経費については 自己負担を納得してくれているようですが、ご当人はマンションを売ることを考 えておいでのようで、実際に買いたいという人も現れているとのこと。理事会の 「祈り」として、売却益(大規模修繕直後なので弊マンションの相場は上がって いるらしい)により一時避難の費用がまかなえるようなことになれば・・・との 思いもあるのですが、今日現在ではまだ結論は出ていません。

いずれにせよ、体質が災いしてマンションのような集合住宅には長期的には住め ないことが判明した以上、売ったとしてもこの先どうされるのか、理事としての 立場を離れても気がかりなところです。とはいえ今後理事会を通じて本件に関わ る話をまとめる立場ではなくなることから、中途半端なことは百も承知で一度総 括報告させて頂こうと思いました。

最終的に彼女がどうしたのか、判ったらその情報は別途流させて頂くとして、と りあえず今日の所は冒頭申上げましたとおり理事退任に際して皆様に御礼を、と 思いましたので。本当にこれまでいろいろとご助言いただきありがとうございま した。今回の事例が皆様のマンションで大規模修繕をされる際に何らかのお役に 立てればそれがせめてもの収穫かと思います。

それではどうか皆様お元気で。ご助言の数々ありがとうございました。

1999年7月4日 自宅にて



 

4.Wさん

99.1〜
 東京のWさんです。1999.3 末に新築入居ですが、当初から管理について関心が高く、メイルにもあるように入居説明時から管理会社の対応に疑問を感じています。(はせべ)

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長谷部様
突然メールを差し上げる失礼をお許しください。長谷部さんの修繕に関するページを拝見いたし、その内容が、あまりにすばらしいもので、思わず、メールを差し上げようと思いました。

私は、東京都田無市に住むWと申します。私どもは、この三月末に完成するマンションに入居することから、昨年来、マンション管理、修繕に関するホームページがないものか、たびたび探しておりました。

どうも業者側からのページは多いようではありますが、住民側からのケーススタディ的なものが見つからず、書籍から探すしかないのか、と残念に思っておりました。

しかし、しかし!
まさに、私が探していた住民側の立場から制作されたホームページに出会うことができました。 しかも、驚くばかりの詳細な資料とすばらしい内容のページです。

長谷部さんの資料の冒頭にもありますように、大規模修繕は、日常管理そのものであろうと存じます。まさに、将来を見据えた今の管理そのものが問われているのだと思います。 これから、長谷部さんの資料をじっくりと読ませていただきます。

ありがとうございました。

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長谷部様
Wです。
お忙しい中、早々にレスをいただき、誠にありがとう存じました。

さて、
99.1.22 11:12 PM付けの,HASEBE 長谷部さんからのメールについて

長谷部> 身に余るお褒めを頂き、びっくりしております。ありがとうございます。このホー ムページは、自分たちの経験がこれから工事をしようとしている人たちに必ず役にたつと思い作りましたので、Wさんのような方に喜んで頂いて、狙いが間違っていなかったと本当に嬉しく思っています。

いえいえ、身に余るなぞとおっしゃらないでください。インターネットの素晴らしさというものを改めて感じ入っているところです。

三月入居の予定ですし、今後、私の住むマンションがどうなっていくかは、まさに「いま」問わなければならないことがらなのだ、ということを、長谷部さんのページから、ひしひしと感じております。
また、身の引き締まる思いもいたします。

長谷部> 内容はプリントして、関係者に配布されてもかまいません。目的は、同じ仲間同士で、お互いもっと賢くなりましょうと言うことですから。したがって、出来ればWさんからも情報を発信していただければなおのこと嬉しく思います。これから入居なのでまだ先のことと思いますが、有益な情報はメールで連絡くだされば、H P内に公開いたします。

ありがとうございます。そして、かしこまりました。情報をいただいているばかりでは、情報もやってこない、というのが、インターネットの本質とか。
入居を待つ身として、いまはまだ孤立した状態にありますが、近いうちに、入居者のネットワークも出来ることと存じます。
そのときは、またご連絡申し上げます。

もし、私の入居するマンションの住民から、長谷部さんあてに連絡がございましたら、私のメールアドレスをその方にご連絡いただければ幸いです。勝手を申し上げて、恐縮ではございますが、300戸近い入居者がいることから、わたしのような方も、きっといらっしゃると思うのです。

私の入居予定のマンションは、
東京都国立市所在の「○○○国立○○○」という○○不動産が販売したものです。 「イーストウイング」という棟は、すでに入居し、みなさん生活していらっしゃいます。

長谷部> なお、もうご存じと思いますが、もう一つ住民側のHPがあります。私のHPのリンク集にある「札幌発 大規模修繕」です。そちらも参考になさってください。

先日、長谷部さんのページを拝見したときは、その情報量に圧倒され、そこまで気がつきませんでした。ご指摘いただいて、ありがたかったです。

寺地さんのページも、ものすごい情報量でした。長谷部さんといい、寺地さんといい、本当にすばらしい情報を発信していただいていると思います。
ありがたいことです。

長谷部> 私たちのマンションは大規模修繕を通して、管理会社への不満が増大し、このほど会社を変更することになりました。新築当時は施工業者の関連会社が管理を行うのが 一般的ですが、普通その場合は、親会社から出向してきた人間が役員を務めていて、管理の内容がお粗末です。今回、管理専門の会社に変更しますが、年間に1400万円も経費が節約できる見込みです。今まで十年間何と無駄をしてきたことかと腹立たしく思っています。Wさんの処も管理会社の質を早く見抜き、必要なら会社変更も検討した方がいいと思います。

年間1400万円ですか。。。。
すさまじい金額ですね。

私のマンションも、たしか販売会社の一社に名をつらねた会社の関連会社が、管理をすることになっていると思います。購入契約時には、そのすべてが附合契約のようなもので、イエスかノーかしかないわけですよね。
すでにオプション契約の説明のときに、工事不具合の際のアフターサービスを質問した際、H社の子会社が販売をしているのにもかかわらず、施工の不具合は、その下請けの責任であるかのような笑止千万な説明をしていたことに、「お約束」のようないい加減さを感じました。
「販売をなさっているのは、お宅(子会社)でしょ?」とさらに突っ込んでも、けげんそうな顔をした担当者の顔が印象的でした。あるいは、引越幹事会社(これもH社の子会社です)の担当者の一斉入居に関するお粗末な説明は、がっかりを通り越して、怒りを覚えるものですらありました。

「一事が万事」という古くからある言葉が正しいものを含むとすれば、おそらく、長谷部さんのご指摘(管理会社に関する問題)も長谷部さんのところのマンションだけの問題ではないのでしょう。
そうでないことを切に祈りたいです。

まずは、来月の部屋の下見会(部屋の引き渡し準備、不具合のチェック)のときの、工事業者の説明から参考にしていこうと思います。

レスメールをいただき、その御礼を申し上げるべきところ、長々としたもの(かつ愚痴めいたもの)になりました。失礼しました。

どうぞこれからも、よろしくお願い申し上げます。



 

3.Kさん

  今年('99)工事を予定している熊本の理事さんです 1998.10〜

 大規模修繕を計画中の理事さんのメール内容を公開します。この理事さんは大変な勉強をされていて、ためになる内容が豊富です。匿名希望ですので、固有名詞は伏せましたが、是非連絡を取りたい場合は連絡ください。取り次ぎます。
 以下、日付順に並べますが、いくつかの短いメールは省略してあります。(はせべ)

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はじめまして
横浜マンション管理組合ネットワークのリンクページから入りましたマンション管理組合の役員の者です

私たちのマンションでは、来年に大規模修繕を計画しています。今、検討中ですが、長谷部様の資料が大変参考になり一部居住者に配りたいとおもいます。ご了承ください。

まだ、これからですので、できれば名前は匿名でお願いします。 お願いばかりで、すみません。

今後もHPを訪問しますのでよろしくお願いします。
九州は、台風の直撃をうけ少し涼しくなったかな?

お体ご自愛のほど

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長谷部様

こちらこそ、よろしくお願いします。
何よりも、経験されていることが、一番うらやましいです。未経験の上、素人ばかりで毎日が不安です。

早く終わりたい !

私たちのマンションでは、積立金は何とかなりそうです。実は、私は平成6年に、積立金を月平均500円からいきなり月平均10,000円に、値上げした張本人です。

役員は1年で終わる約束だったので、後先考えず、否決されるつもりで、総会に提案したのですがなぜか、可決されてしまいました。 (別に居住者を恐喝!?したわけではないんだけど)

おかげで、委員会に引っ張り出され、現在に至っています・・・・・マンションは、診断・設計をどうするか、現在検討中です。

あ、すみません、そこで質問ですが

長谷部さんのマンションでは、コンサルタントによる建物の物理的調査のとき、居住者へのアンケート調査を、実施したみたいですがその項目を、差し支えなければ、教えて頂けないでしょうか?

私たちのマンションでも、建物診断時に、出来れば同様のアンケートを実施してみたいと思います。

明日は、委員会です。 どうなることやら

ではまた K

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K様

 積立金を値上げできたことは素晴らしいですね。工事費は一回目より二回目、二回目より三回目と増えますから、余裕を持って貯めて置いた方がいいです。羨ましいですね。

 アンケートの件ですが、枚数が多いので、郵送します。いま手元にないので捜してみます。住所を連絡くださいますか。もし設計を専門家に頼むなら、実情にあった内容を作成してくれると思います。

 設計と工事監理を依頼した方がいいと思いますが、戸数が少ないと費用負担が多くなるのが問題です。匿名さんのところは何戸有るのですか。私のところは467戸なので依頼できましたが。

 委員会頑張ってください。

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長谷部様

ありがとうございます。お言葉に甘えていいですか?

私たちのマンションは、昭和60年3月完成です。積立金の改定が平成6年です。したがって、10年間入居時の積立金500円のままでした。

ほかに駐車場収入もありますが、でもねーー

設計管理は、現在大問題になっています。総戸数は71戸です

まだ個人的な意見ですが、設計施工一体で発注しようとしています。

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Kさん、こんにちわ

住所は受け取りました。アンケート用紙その物は見付からなかったのですが、結果報告書がありますのでそれを送ります。アンケート項目は分かりますし、居住者の希望がいろいろ書かれていますので、参考になると思います。

この内容も一部HPに公開しようかと思い付きました。

私は誤解していました。もう十年を越えているのですね。まだ時間があると思っていたので、うらやましいといったのですが・・・。大変ですね。私のところは一戸当たり約百万円かかりました。但し、外壁を一回剥がしてから再塗装をしたので費用がかかりましたが、上塗りだけならもっと低くなるでしょう。但し現在の塗装がしっかりしているのが条件ですが。
長期計画を立てて今回何処までやるのかを決める必要がありそうですね。

設計施工を一体で依頼するのは、難しい決断と思います。業者の質を見極められればいいですが、そうでないとドンブリでやられてしまう可能性がありますから。71戸では設計コンサルタントを頼むのも大変ですしね。居住者の中に専門家がいるといいのですが。

では、頑張ってください。来週には書類を送ります。

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長谷部様
送っていただいたアンケートを参考にして私のマンション用に作りました。質問などほとんど使ってしまったのだけどご了承願います。

このアンケートを取ることはマンションでひじょうに好評でぜひやりたい、と盛り上がっています。あまりに急に盛り上がってしまって許可を得る前に作ってしまいました。

重ねてご了承願います。お願いします。

なお不都合のある場合、指摘していただければ直します。

(アンケートは省略)

(これから修繕委員会の活動についての報告が続きますが、「Kさんの事例」として別項を設けましたので省略します)

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2.Sさん

 長期修繕計画立案の事例を紹介して欲しいそうです。また集めた資料を整理してHPを作成中とのこと、公開が楽しみです。(はせべ)

98.12 大坂のSさんから現状報告が入りました。懸案だった修繕積立金の改定が決まったそうです。おめでとうございます。同時に、長期計画の概容も紹介していただけました。作成途中だそうですが、よく出来ていて大変参考になります。すごく研究されているのが推察されます。(はせべ)

---------ここから----------

98.8
 私たちのマンションは大阪市内の15階1棟建て109戸で,平成7年に竣工しました. 管理組合は,この10月から第4期に入ります.今期の定期総会を11月に開催するにあたり,長期修繕計画の立案と修繕積立金の改定を予定しております.現在の修繕積立金の金額は専有部分1平米あたり,20円と低額なため,その値上げを2年おきに,1平米あたり,60円,80円,100円とする準備,説明に着手したところです.

HPを拝見し,今回の工事の成功について, 私たちのように大規模修繕工事には幾分 年数の余裕があり,逆に資金が十分でない,そして管理組合活動の基盤も揺れ動いて いるような管理組合にとっては, 一時金を徴収することなく資金を準備できた点に 非常に関心を持っております.今後の準備として,修繕委員会等の専門委員会の立ち 上げ方法やコンサルタントの選定など,お聞きすべき情報は山積みなのですが,まず ,資金面を含めた長期修繕計画立案の事例を紹介いただければ幸いです.

私自身は,私達のマンションの管理組合1・2期の理事長,第3期の理事であり,今回 の定期総会で役員を引退しますが,修繕計画の立案については,第1期より関わって おります. 総会が終了しましたら,これまでの事例を報告したいと思っています.

余談ですが,役員就任以来,買い集めたマンション管理に関する単行本,資料等が 100近くなりましたので,それらの書名と目次を一覧表にしたHPを作成中です.当分 スキャナとの格闘になりそうですが..

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98.12
大阪 ******のSです.
メール返信遅れましたことをお詫び申し上げます.

先ず,総会の結果ですが,無事に修繕積立金を改定することができました.
別便で総会議案書および現在表現方法を修正中の長期修繕計画の一部を郵送します.

修繕積立金改定については,
各住戸の専有面積あたり,20円/平米を
 10年10月〜12年9月 60円/平米
 12年10月〜14年9月 100円/平米
 14年10月〜  140円/平米
とすることを議決できました.
適切なアドバイスありがとうございました.

しかしながら,問題は山積みです.
1. 管理組合・理事会の態勢が十分でない
 管理組合にパソコンがない
郵送しました議案書,修繕計画ともに私有のパソコンで作成しました.
第1期〜第3期にかけて,理事長,理事長,理事でしたので, この間は,その他のお知らせを含めて自分で作成したものが,半数以上あります. 現在,管理組合にパソコン導入をお願いしており,導入後に移植する予定です.

2. 1に関連して,修繕計画作成の詳細データが管理組合にない
 これも管理組合にパソコンにないためなのですが,実状はもっと深刻であり, 議決された修繕計画の内容を正確に把握していない点にあります. 今回の総会議案書で修繕積立金の改定に使用された棒グラフは,各工事ごとに

 修繕周期,数量および単位,工事仕様およびその単価

の積算結果であるはずなのですが,その点について,理事を含めた マンション住民が把握しきれていない点に問題があります. 今後は,修繕委員会を発足させる予定なのですが,立案に対するチェック機構が 働いていない状況です.
工事仕様や単価は,どの仕様で単価計算には,実勢価格を採用するのか, ポケット積算表の標準価格を採用すべきのかが明確でありませんでした. 一応,今回は管理会社から提示された設計単価?という値で作成しました. 私としては,マンション管理センターが編集発行している修繕積立金算出マニュアル (改訂版)に乗っ取った形で作成し,工事仕様案と単価算出資料も明記したかったのですが,時間的に間に合いませんでした.

3. チェック機構の不備
 郵送しました資料の中にA41ページだけの積算表があります. 私たちのマンションでは,これまで計画修繕を実施したことがないため,数量表の 数値は,管理会社の作成した数値を採用しています. 当マンションはM社が事業主で,施工はMM社,管理会社はBE社と系列で動いているのですが,数値はいい加減なものでした. また計上されていない工事項目もあり,管理会社との間でこれらの修正を行うのに, 約1年を要しました.それでも不備だらけです.

4. 理事会・専門委員会の役割分担ができていない.
 結論から言えば,このようなプロジェクトに対する管理組合・理事会組織の役割分担がなされていません.今後,管理組合運営のためのコンサルタント,修繕計画および工事実施のためのコンサルタント(特に工事監理を依頼できる人材,ホームドクター)を外部に依頼して,管理組合の態勢作りを図る予定です.

取り急ぎ,御報告と御礼まで
敬具

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98.12
こんにちわ、長谷部です。

総会の成功おめでとうございます。Sさんの苦労が酬われましたね。また、長期計画の資料を送っていただいたそうですが、どうも有り難うございます。自分達の資料も、長期計画という名前から受けるイメージとは少し違うなと、感じていたので参考にさせていただきます。

山積している問題について、私達の現状を少し書きます。

1.管理組合にPCがないのは、同じです。結局、個人のボランティア活動に依存してしまいます。

2.詳細データがないのも同じです。管理会社が過去の修繕工事の記録もきちんと取っていなかった状態で、管理組合も修繕委員会も管理会社を信用していません。次のチェック体制とも絡んで、コンサルタントに依頼する方向です。

3.のチェック体制や、4.の役割分担については、ごく最近になって今回頼んだ設計事務所にコンサルタント(ホームドクター)をお願いすることに決まりました。住居数が多いので経費負担が軽く、可能になりました。結局、個人にあまり負担をかけない方法としてはこれしかなかったのです。もちろん管理会社を替えようという動きもしていますが、実現までには長くかかりそうですから。

ともかく、Sさんのところは初代の理事長さんがしっかりしていて、羨ましいですね。

ではまた。



1.千葉清子さん  共同設計・五月社

  mikitetu@mb.kcom.ne.jp  1998.8

 居住者の立場での、情報が少ないため、業者のことばしか、情報が入らず、業者主導の工事になってしまう場合があるようです。こういうことを防ぐためにも、私どものwebページから発信して行かなくてはならないのですが、なかなか、軌道に乗りません。 このページの今後の活用を期待します。