日常管理の改善 

電気料金は、こうすれば節約できます

東京の O さんから、共用部分の電気料金を見直すことにより、管理費の節約ができたとのお便りがありました。管理会社の姿勢が大いに疑問である、理事会がしっかり見ていないと無駄な出費になっているとの指摘もされています。是非一読し、参考にして下さい。

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「電気料金削減レポート」

 我がマンションは、築2年目72戸のマンションです。
 管理会社は、デベロッパーの完全子会社です。竣工時予算計画では、共用部電気料金が年120万円でしたが、1年目の収支決算報告書で年間換算したところ220万円相当の電気料金が実際使用されていました。100万円の予算計画オーバーとなります。当然、管理費の不足が持ち上がってきました。管理会社との交渉で、管理委託業務などで100万円がコストダウンされ、今年はなんとか管理費の値上げは回避できました。
 ここで、まず私なりにこの経緯を分析してみました。以下3点考えられる事があります。

(1)電気料金などは、ぱっと見て管理会社に文句のいいようがなく、管理組合としては支払わなくてはならない項目である。必要であるなら、管理費値上げも妥協せざるを得ない。そこで、デベロッパー側としては、管理費を安く計上して、販売できる。

(2)(1)より、管理費値上げの反発が管理組合より上がって来た場合、管理会社にてある程度値下げ交渉に応じる対策をとる。これは、値下げを実際しているのではなく、もともと高い価格に設定してある項目を下げたように見せかけます。最近は、管理組合からの値下げ交渉が、それでなくてもあるから、あらかじめ高い設定をしているのです。
 適正価格を知らない管理組合は、値下げが実施されたことで満足感を得てしまいます。管理会社の思う壺では、ないでしょうか。 管理会社としては、本当のコストダウン努力はしていないのです。今年下げた項目で、まだ高い項目があったのでさらなるコストダウンをお願いしたところ、もう下げたから出来ないという対応でした。1回目のコストダウン交渉から、しっかり行わないといけません。

(3)電気料金予算の不足に対して、管理会社に相談したところ、節電対策の器具の売り込みがありました。「精電器」という器具です。この売り込みも、管理会社の計算内では?と、勘ぐりたくもなってしまいます。
皆さんのマンション、管理会社はいかがでしょうか?

 そこで、分かっていながら管理会社の言いなりになるのもイヤですので、管理人さんの協力を得まして管理組合にて節電対策を以下検討してみました。マンションの電気契約には、一般電灯など100Vで使用する「従量電灯」契約と、エレベータや機械式駐車場などの200Vで使用する「電力」契約とがあります。「従量電灯」と「電力」との料金比較は、「従量電灯」100Vは、基本料金は安いですが、使用料金が高い設定になっています。逆に、「電力」200Vは、基本料金が高く、使用料金が安い設定です。

★エレベータ運転
 2基エレベータがあります。竣工時、自動運転でかならず1階と5階に待機する運転となっていました。確かに、利用の多い1階、そして中間階に待機することで利用者側としては、便利であることは確かです。しかし、これを乗り捨て階待機と変更しました。運転プログラムシステムの変更ですので、エレベータ会社にて無料変更です。(ROM交換にて容易に対応できます。また、もとに戻すことも同様簡単です。)これにて、試運転としましたが、特に居住者からの苦情や変更の指摘もありまあせんので、ここまま継続する予定です。また、利用時間の少ない時間帯でエレベータの時間帯運休も検討しましたが、利用が少ないなら当然電気料金もかかりません。よって、この時間帯運休は、実施しておりません。エレベータは、「電力」200Vなので、無理に節約してもさほど電気料金に差は出てこないと考えます。

★照度計感度
 共用廊下電灯などは、外壁に設置されている照度計ににより、点灯消灯が実施されています。居住者からも、夕方の点灯時間が近隣マンションより30分程度早いのではないかという指摘を受けていました。照度計感度は、容易にドライバーでボリュームを回すということで、変更できます。
 ちょっとずつ設定を変えてみて感度調整を行うとよいでしょう。(施工業者が、どこまで調整してくれているか?ですよ。)共用電灯が、一番電気を使用すると思いますので、これは大きな節電が期待できます。

★外灯消灯時間
 植え込みなど、マンション外周に外灯が設置されています。消灯時間を、23時から22時に1時間繰り上げました。時間設定変更は、タイマーですので誰にでも変更可能です。

 ここまで、今年5月から実施しています。電気料金昨年比で、月4000〜5000円の削減で推移出来ています。

★換気扇
 ゴミ置き場に、換気扇が2基設置されいます。竣工時から1基12時間/日の運転に設定されていました。居住者からも無駄な運転ではないか、との指摘は受けていました。管理人さんの協力を得まして、昼間の管理人勤務時間帯にはドア&窓を開放してもらうことにより、運転時間を1基3時間/日としました。 運転時間設定変更は、タイマーですので誰にでも変更可能です。冬期/夏期などで、変更してもよいかもしれません。

★電灯消費電力
 使用されている電灯のW数の確認をしました。エントランスホールなど、電灯が直接目にみえるところは、省エネ型の蛍光灯が使用されていましたが、その他は施工会社側の仕様になっているという感じでした。電気料金を考慮した、総合的な価格判断ではなくて、単なる施工単価計算で、設定されているようです。これは、競争原理から施工会社を攻めるのは酷なことと思います。管理組合として、しっかり確認が必要な項目と思います。

(a)共用廊下電灯
 28Wのサークル蛍光灯が使用されていました。蛍光灯単体での単価は、重要が多い28Wが安いです。これを、18Wの蛍光灯に変更することを考えています。18Wは、28Wに比べて単価は高くなります。また、経時変化で照度が落ちるので、必要でしたら早期の交換も必要になるかもしれません。testで、今18W交換をしていますが、28Wと遜色のないレベルと思っています。testの価値は、あると思います。W数が、18/28と2/3になり数も多いので、結構大きな節約に成ります。

(b)外灯
 安価な60Wの白熱電球が使用されていました。これは、省エネ型蛍光灯に変更することを考えています。単価は、高いですが寿命が長いので総合的には同じ価格と考えられます。
 飾り的要素の大きい場所に、9W(40W相当明るさ)の省エネ蛍光灯をtsetで、交換しました。これも、やはり遜色ないレベルでした。14W(60W相当明るさ)にしても、14/60と1/4になります。 外灯は数が少ないですが、これもバカにできない値です。

 以上、全て実施した場合ですが、ざっと計算して年間30万円の削減が期待できそうです。
 自分達、管理組合として可能な管理費削減ですので、皆さんにも検討をお薦め致します。(照明は見た目わかりますので、グレードを落とすような無理な変更は避けたほうがよいでしょう。)そして、皆さんのマンションでのお薦め節電対策がありましたらお知らせください。

それでは。