三菱 ディアマンテ 25V 

(97.11.19記)
 写真を見てもらえばわかると思いますが、ヒット作の先代ではなく現行です。現行といってもGDIではなく、マイナー前の2.5Lモデルなんであんまり参考になるような話があるかどうかわかりませんけど。

 まずデザインからふれたいと思います。筆者はこのデザイン非常に良くできていると思います。高級車らしく威風堂々としていますし、それでいながら丸くとろけたデザインからもいち早く脱却していて、新しさも感じます。よくBMWに似すぎてると言いますが、それは先代の印象を引きずってるからそう思われるだけで、現行型はそれほど似てるとは思いません(今のBMWは明らかに丸いですし)。むしろ、ランチャのデドラあたりの方に影響が感じられます(後ろからのCピラー、トランクの流れとか、グリルとか)。そして最近の三菱は、明らかに世界的規模で一番デザインの方向が進んでいる会社だと思われます(それか、思いっきり一回り遅れているか?)。欧米がオーバルの丸いデザインに未だに夢中になっている中、日本はバブル期の大量車種投入で丸いデザインに飽き飽きしています。そんななか日本メーカーのデザインには二つの傾向がでていると思います。一つは丸いデザインから脱却しきれずに、どっちつかずのデザインをしているメーカー(日産、マツダ)。もうひとつは、丸から完全に脱却し新しい流れを生み出そうとしているメーカー(三菱、トヨタ、ホンダ)です。そのなかでホンダは、丸いデザインの時でもあまり丸くならずに、独自の道を歩んでいたように思えるので外しますが、三菱とトヨタは明らかに時代の流れを読むのが早いと思います。

 その中でもディアマンテはいち早く、塊感のなかにシャープなエッジを通すという手法をデザインに用い、筆者は注目しました。このデザインは、売れすぎた先代のイメージが強すぎて発表時目立ちませんでしたが、後にトヨタが、チェイサーで同じ手法を使い好調なセールスを記録したことで、方向性が正しかったことが証明されたでしょう(ただウェストラインの位置には、トヨタの方によりセンスが感じられます)。世の中の流れは、明らかに丸から角です。欧州でもオペルやフォードには、早くもそんな動きがでています。オデッセイのまねだと言われても、シャリオのデザインは新しいです。いくらコンセプトは新しくても、ルネッサのデザインはプレーリーにしか見えません。

 脱線しましたが、本題に戻って車の出来についてです。2代目ディアマンテは上記したように、高級車らしい良いデザインで高そうに見えますが、実際はかなり安い車です。GDI物なんか3Lでマーク2の2L物より安いのです。そんなわけで、目に見えないところで色々コストダウンが行われていると思います(目に見えるところは立派です、内装もセフィーロよりはるかに高そうでした)。この車は、20000キロぐらい乗っているのですが、早くも足回りからポコンポコン音が出てますし、エンジン音も途中からざらざらした音が混じるようになりました。プラスチック部品も見栄えは良いんですけど立て付けは悪いです。それと窓回りが弱いです。二度ほどクレームで直しましたが、モールとかがはがれてきます。どうもコストダウンのせいで部品の制度が甘いようです。

 乗り心地は、高級車にしてはしなやかさが足りないと思います。特に低速では、上記した足回りの音と共にあまり良い印象ではありません。高速では、馬力なりの運転が普通に出来ると思います。イスの出来も運転席は合格点だと思います。ただ助手席はヒップポイントの調整が出来ないのに沈みすぎで、今一歩だと思います(それでもマーク2よりは良いですけど)。三菱自慢のセミオートマですが、はっきり言って筆者は使いません。坂道でエンブレを効かすぐらいです。この車のセミオートマは2段飛ばしとか出来ないんです。2段飛ばしをすると、二つシフトが落ちずに一つずつ落ちていくので、相当な好き者でもない限りこれでスポーツ走行なんてしようと思わないんじゃないんでしょうか?オートマ自体の出来もいまいちで、1速から2速のつながりはかなりギクシャクします。

 ということで、あんまり良いこと書いてないですけど、筆者は車は形だとも思っていますので、値段も安いですし、世の中マーク2ばかりで嫌だな、と考える人には良いんじゃないかと思います(外から見る分には、誰もそんなボロ車だとは思いませんし、ATとかも話の種にもなりますし)。ちなみにGDIモノのはもっと安っぽくなってます。内装、絨毯も木目もあきらかにワンランク落としてます(マイチェン後同士ならセフイーロの方が良いかも)。トランクなんか内張りありません。GDIにリコールも出ましたし気をつけて買って下さいね(やっぱり全然ほめてない、でも気に入ってます)。

 


次へ

車ばかのばか車へ