お願い

 肥田舜太郎先生の講演会に出席してそのお人柄に打たれ、先生の著書をむさぼり読んで敬慕の念を深めた私は、一人のフランス人監督がこの先生の映画を撮ろうとしていることに共感し、資金難の彼を助けるためにクラウドファンディングというインターネット上の募金集めのシステムのプロジェクトを立ち上げました


   プロジェクト  (クリックすると新規ウインドウが開きます)


 お陰様で多くの方々からのご支援をいただくことができ、作品は2014年11月に一応完成いたしました。

 ところが、映画の世界には全くの門外漢であった私は、一本の映画作品というものは、それを制作する以上に配給上映することが大変なのだ、ということに後になってから痛感させられました。日本ではほとんど名を知られていない外国人監督が、たった一人で作った地味な映画を引き受けようという配給会社はおいそれと見つからないのです。

 一時は自主上映という形で人々に見てもらうしかないかとも考えましたが、その場合は見に来るのはすでに肥田先生のことを知っている人達が大半を占めることになるでしょう。私はこの映画は肥田先生のことを全く知らない広く一般の人々にこそ是非とも見てもらいたいと願うのです。

 クラウドファンディングでご支援いただいた方々への責任ということもあり、さんざん思い悩んでいたところに、いくつかの縁がつながって太秦株式会社という映画配給会社の小林社長が私の熱意に共鳴して下さることになりました。そしてこの方の尽力のお陰で、澁谷のユーロスペースという映画館で本年3月12日から4月1日までこの『ヒロシマ、そしてフクシマ』が上映されることが、昨年12月に入ってからとんとん拍子に決まりました。
 私としては願ってもない好機でした。ただ、本格的な配給宣伝のためには、最低に見積もっても250万円は必要である、そしてそれを用意するのはいわばプロデューサー役を務めなければならなくなった私の役目である、と知らされて愕然としました。本当に世間知らずの私でした。

 250万円! 貯えに欠く年金生活者にとっては気の遠くなるような金額です。


 この映画は、もちろん肥田舜太郎という類い希な人物のありのままの姿を後世に伝えるという記録映画としての貴重な価値を持つものです。肥田先生の言動をここまで克明に捉えた映像作品は他には存在しないでしょう。
 しかしさらにこの映画には別の大きな意義があります。肥田先生が一生叫び続けたこと、それは底知れぬ恐ろしさを持つ核兵器や原発のこの世界からの根絶です。ところが現在の日本では、安倍政権を頂点とする権力側の巧妙なマスコミ操作が効を奏してか、福島原発事故の記憶がしだいに風化されつつある情況です。オリンピックを成功させるためには、核の恐ろしさのことは忘れてしまおうと、国民の大半が催眠術にかけられているかのような有様です。反原発映画など、もう見たくないと思っている人々の前にこそこの映画は差し出されなければなりません。

 本年3月12日といえばまさにあの事故からの5年目、何としてでもこの映画は、出来るだけ多くの人達の目に触れれようになって欲しいのです。


 もしこの映画の配給宣伝にご協力いただけるのでしたら、なにとぞご連絡ください。
映画の試写会ご招待券(試写会にお出でいただけない場合には、上映館の割引券とさせていただくつもりです)、完成作品のDVDをお送りし、映画のエンドクレジットと映画館用のパンフレットにお名前を載せさせていただきます(ご異存がなければ)。なにとぞご住所をお知らせ下さい。
 誠に勝手ながら一口1万円とさせていただきます。複数口大歓迎です。

 なお、映画のエンドクレジット最終作成に間に合わせるため、期限を2月25日とさせていただきます。

  


追記 短期間の間に最終的に27名の方から合計108万円のご援助をいただきました。お陰様で何とか映画は無事上映できました。

本当にありがとうございました。(2016/3/1)