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三界萬霊供養塔脇に大きな船形一石六地蔵

藤林山歓喜院 西福寺 豊島区駒込6-11-4

JR山手線、地下鉄南北線の駒込駅から染井霊園に向かう道は2月末の好天の日曜日とあって、熟年者グループなど歴史愛好家?で満ち溢れていました。
幼稚園の手前で染井組とお別れして右に入り駒込小学校の左前が目指す西福寺です。
都内によく似た船形の一石六地蔵碑が二つあると参考書にあったうちの一つで真言宗のお寺です。もう一つは練馬区の金乗院にあります。
山門を入ると正面に本堂があります。境内の左には立派な台石の上に新しく建造された三体の仏像が祀られ、隣の柵囲いの中には寺院先師の墓石と碑など、そして本堂手前の大きな石灯籠の陰には六地蔵の残された二体と思われるものが隠れていました。
本堂右手、庫裏との間には墓地への入り口があり、水場に通じていますが、山門のすぐ右にも墓地へ通じる道があります。
「染井吉野の里」の石碑に続き寺院の説明と江戸城内の庭師・伊藤伊兵衞の墓碑、それにお目当の一石六地蔵碑の説明札があります。
道の右手に台石の周囲に小さな地蔵さんをぐるりと並べた慈母観音像があり、その次に地蔵菩薩を頂いた無縁塚「三界萬霊供養塔」がありますが、その間の狭い空間に船形一石六地蔵塔がありました。
こちらは明暦元(1655)年の造立で豊島区最古の六地蔵だそうです。練馬区金乗院のものより1年早く造られたことになりますが、都や区の文化財指定は受けていないようです。
碑は170cm、像高33cmと金城院のものとほぼ同じです。像容は左から合掌、如意?、宝珠、蓮華、(両手を隠す)、錫杖の姿となっていてやや異なっています。金城院のものより蓮台に厚みがあり、地蔵はやや細身ですが、如意や蓮華、錫杖を高々と支え持っているのが似ています。
「奉造立六地蔵尊容為二世安楽也」「明暦元年」と10名の願主の名前が読み取れます。 (2016.02)

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