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七面柱石塔六地蔵は石工の個人墓でした

嶺玉山 龍泉寺 杉並区下高井戸2-21-2

首都高速新宿線沿いにある曹洞宗のお寺。
本堂左から墓地に入りますが、その手前に十二支地蔵が祀られています。それぞれ干支にあたる動物と戯れる可愛い地蔵さんが12躰。真新しく光る石像が陽の光を浴びていました。
六地蔵はそのすぐ右手で墓地への案内をしています。かなり風化して顔の表情がはっきりしなくなってしまっています。 それぞれの台座には「霞紅妙園信女 安永十(1781)年」などと供養される人の戒名と命日 が刻まれています。「安永六年」のものもありました。
像容は左から数珠、合掌、幢幡、柄香炉、宝蓋、宝珠・錫杖となっています。
造りは足先をぴったり揃えて立ち、やや反り身で、お腹が出ているように見えます。背中は真っ平らです。
持物の幢幡と宝蓋の柄が短めです。像高は56cm、蓮台が26cmで小さな六地蔵です。
六地蔵の墓地よりに一群の石塔が集められていますが、その中に珍しく七面柱の石塔があり、うち六面には地蔵菩薩、残る一面には「石工清助墓 天保十二(1841)年」と刻まれていました。
高さ26cmの台石の上に70cmの石柱です。
地蔵菩薩の像容は文字面から右に宝珠・錫杖、柄香炉、宝蓋、幢幡、数珠、合掌です。宝蓋が隣の幢幡の面にはみ出して彫られているところなどおしゃれです。
これは清助さんが生前に自分の墓石を造ったのでしょうか? それとも石工の供養墓として奉造されたものでしょうか。いずれにしても、これだけ立派な個人墓の六地蔵塔が石塔群の中に埋もれているのは勿体無い気がします。 (2015.11)(2019.05.30:再訪)

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