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立体的な宝蓋と目を引くユニークな指の表情

聖王山法明院 円泉寺 世田谷区太子堂3-30-8

東急田園都市線・三軒茶屋駅の北1000歩の距離のにある真言宗のお寺。山門の左右に林芙美子旧邸と聖徳太子の碑があります。
境内は正面に本堂があり右に庫裏・寺務所が続き、山門すぐ右に太子堂、太子会館という伽藍配置です。墓地は境内左のコンクリート壁で仕切られ、本堂裏まで広がっています
参道の左、墓地仕切り壁に沿って小さな地蔵堂、観音像をいただく有縁無縁精霊塔があり、その奥、墓地入口に六地蔵を安置する雨屋があります。
六地蔵は三段の共通台石とそれぞれの角柱台、蓮台のうえに丸彫り立像の姿で立っています。
石柱台正面には各々願意と願主名などが刻され、左端の石柱台には「寛政十一(1799)年」の造立と記されています。
像容は左から宝珠に錫杖、柄香炉、宝蓋、幢幡、数珠、合掌となっていて、像高は65cm(蓮台込み80cm)です。
造の特徴としては持物、特に宝蓋の彫り方が立体的になっています。通常は幢幡と同じように平面的な造のものが多いのですが。
さらにそれを持つ手の指の表現がユニークです。細く作られた指、小指や人差し指を反らせた持ち方は大変珍しいです。特に数珠を持つ指の表情は独特です。
安穏寺でも細い指を反らせて持物を持つ六地蔵を見ました。円乗院でも指の細造の六地蔵がいました。世田谷区で3度目の出会いです。(2018.05)

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