image

三角鼻、おちょぼ口、足先は両方を合わせて正面向き

福田山花光院 蓮花寺 大田区矢口2-3-12

真言宗のお寺。東急多摩川線・矢口渡駅の西北西700mの所にあります。近くに大きな六面塔六地蔵と出会った延命寺があります。
山門の左に車の出入り口があります。境内左は駐車場で、正面奥が本堂、境内右手が庫裏、墓地は本堂左から奥に広がります。
本堂の左前、墓地の手前に六地蔵などを安置した堂宇があり、脇の植え込みの中に大きな宝篋印塔が建っています。その台座の四面に各四体の坐像が浮彫されています。地蔵のようでもあり、羅漢のようにも見えます。何れにしても珍しいものです。
堂宇の中には大きな地蔵立像、六地蔵、不動明王坐像、舟形地蔵立像が並んでいます。
六地蔵は60cmばかりの小さめのもので、像容は左から宝蓋、宝珠に錫杖、合掌、柄香炉、幢幡、数珠です。石柱台には願主などが刻まれていますが、その中に「文化八(1811)年」や「文化12年」、「文化十四年」の年号が見えます。
造りの特徴は彫りが浅めで、持物は遠慮気味に彫り出されています。顔も、鼻は小鼻のない三角鼻、口はおちょぼ口、平べったい足先は両方をピッタリ合わせて正面を向いています。
左端の大きな地蔵も六地蔵と同様に、顔の造りが三角鼻、おちょぼ口でそっくりで、衣の裾から出ている足先もピッタリ合わさっています。
こちらも「文化14年」建造なので、同じ石工の作ではないかと推測されます。しかし、宝珠と錫杖を持つ手の指だけが一本ずつ彫り出されていて、変にリアルっぽくて気味悪いくらいです。
六地蔵の右にある火焔を背負った不動明王は肌色の石材に浮彫されています。高さ100cmの舟形地蔵は「宝暦七(1757)年」に廻国供養の為に奉造されたたもので、「天下泰平 国土安全」の文字も見えます。 (2018.08)

六地蔵巡りに戻る