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奉造立「講中二十人/願主同人」

天満山正覚院 観音寺 練馬区豊玉南2-15-7

真言宗のお寺。西武新宿線・野方駅の北、1200mの所にあり、環七通りに接する豊多摩氷川神社の隣です。
山門を入ると左手に多宝塔、続いて観音堂、正面に本堂、右横に庫裏という伽藍配置です。
本堂の左脇が墓地への道です。その入り口に左に六体、正面に三体、右に二体と「コ」の字型に十一体の地蔵立像が建っています。
左の六体が六地蔵です。像容は左から宝蓋、幢幡、柄香炉、合掌、宝珠に錫杖、数珠で、像高は90cmあります。
内二体の頭部は損傷しています。錫杖持ちと数珠持ち地蔵のように顔の造りが多少異なっていたり(写真)、台座の銘の内容が異なっていたりしますが、一組の六地蔵と思われます。
台座の銘は左から三つは正面に「講中二十人/願主同人」だけで、他の三つには正面に「講中二十人/願主同人」「講中二十人/奉納為二世安楽/願主〇〇」とあり、側面に「武州豊島郡中荒井村」「〇〇治右衛門/念佛施主四十人/同〇五郎作」「享保二十乙卯年(1735)九月廿四日」などが見えます。
正面三体の中央の地蔵の台座には「奉造立地蔵尊/講中五十二人/宝暦六丙子年(1756)十月中旬」「武州豊島郡中荒井村」の銘があります。
正面左の地蔵の背には「武州豊島郡中荒井村/享保元丙申(1716)〇〇」、正面右の地蔵の背には「奉造立石地蔵尊二世安楽所」「宝永三丙戌(1706)天九月十三日同行七人」の銘がありました。
右側の二体の地蔵の大きい方は造立年はわかりませんが江戸期のものと思われます。小さい方は延命地蔵の銘があり、こちらは昭和四十四年の造立でした。
中荒井村(中新井村)は現在の豊玉地区の旧名。地元の人たちが奉納した地蔵が大切に守られていました。 (2020.07)

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