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大師堂への参道で対座する丸彫の坐姿六地蔵

東高野山(旧谷原山)妙楽院 長命寺 練馬区高野台3-10-3

西武池袋線・練馬高野台駅の北西300mばかりの所にある真言宗のお寺です。
練馬高野台駅前交差点で笹目通りを北に、順天堂大学練馬病院の先を西に入ると右手から境内となります。
東高野会館、南大門があり潜ると鐘楼、本堂、観音堂、大師堂(御影堂)、地蔵堂、東門と多くの伽藍が控えます。
六地蔵は境内の北西の奥にある大師堂への参道の両脇に対座の形で祀られています。
丸彫坐姿の六地蔵は比較的少ないのですが、野外にあり台石、蓮台を含め高さ130cm強もある大きさのものは珍しいと思います。
像は蓮台込みで約100cm。像容は参道左の左から蓮華水瓶、幢幡、宝蓋持ちの地蔵、参道右の右から宝珠に錫杖、数珠持ち合掌、香炉持ちの地蔵です。
持物や手、衣を見ても大変丁寧な造りです。経年で石材の表面がやや劣化していますが、彫りの線が甘くなっているくらいで、大きな損傷は見られません。
高野山の奥の院を模した大師堂の周囲にたくさん安置された石仏、石塔は、徳川家光の一周忌(慶安五年=1652年)を追悼して奉納されたと言われています。
この六地蔵もそのうちの一つでしょうか。大師堂奥に安置されている十三仏、十王像とは造りがそっくりです。
しかし、お寺は二度の火災にあっており、堂宇は二度にわたって再建されたようです。
庚申塔などには損傷の激しいものがありますが、六地蔵、十三仏、十王などは火災の被害から免れたのでしょうか。
いずれにしても、比較的近いところで珍しい六地蔵に出会うことができました。根気良く調べれば23区内にもまだまだ知らない六地蔵が待っているような気がします。 (2022.04)

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