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地面すれすれの目線で墓参者を迎える厨子型六地蔵

宝珠山地蔵院 与楽寺 北区田端1-25-1

JR山手線・田端駅と西日暮里駅の中間にある真言宗のお寺。工事中の山門横には5基の石塔が建ち、その奥には大きな鋳造の弘法大師立像が参詣者を迎えます。
境内左手にお堂があり、正面に本堂。本堂左には霊堂と鐘楼があり墓地に続いています。
墓地の入り口に水屋があります。そのすぐ脇に舟形光背を持った地蔵や丸彫りの地蔵が寄せ集まった形の六地蔵が立っています。
左から舟形浮彫で宝蓋を持つ姿、次の丸彫り2体は宝珠と錫杖の姿、右の丸彫りは合掌の姿です。 右端の舟形浮彫2体は宝蓋を持つ姿と、木の枝で見えませんが宝珠と錫杖の姿です。
中央の丸彫りはおよそ150cmで他は130cm、舟形地蔵は110cmの大きさです。「元禄13(1700)年」や「元文4(1739)年」の文字が見えました。
左の舟形地蔵の左には宝珠・錫杖姿が美しい線彫りで描かれた石板が建っています。
ここには撮影目的の厨子型の六地蔵が祀られていると聞いていたので、境内のあちこちを廻り、墓地の奥まで探しましたが見つけられませんでした。
ばらばら六地蔵を撮影していて気がついたのが、水屋の桶置き場と六地蔵横の立木の間にある、亀の甲羅のような屋根を持つ天地60cmばかりの灯篭のようなものです。
火袋に当たる六面には繰り抜いた舟形のなかに20cmばかりの地蔵像が浮彫されていました。時代はわかりませんが相当古いように思われます。
正面の姿は供花に隠れて見えません。他の5態は写真に収めましたが、持物がはっきりしません。
写真左が正面から見た左面で、両手を前にして丸いもの(宝珠?香炉?)を持っている姿と柄のあるもの(如意?幢幡?)を持っている姿。写真右は正面右の面で、両手を前にして数珠?を持っている姿と両手で四角いもの(経筺?)を持っている姿。写真下は裏面で、合掌の姿のように見えます。
供花と水桶に隠れた小さな浮彫り六地蔵が、墓参の人を地面すれすれの視線で迎えているのです。 (2016.05)

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