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遠慮がちな童子供養の六地蔵

無量山光明院 法問寺 葛飾区青戸6-16-20

JR常磐線・亀有駅の東を環七通りが南北に走っていますが、南に行って京成本線に突き当たるまでの道の両側に10ヶ寺ほどのお寺があります。そのうちの一つで浄土宗のお寺です。
10ヶ寺うちで最も南で、近くに慈恵医大の医療センターの巨大な建物があります。境内のすぐ東側はもう中川の土手になっています。
南面する山門を入ると、正面に本堂、山門すぐ右にガレージの上に庫裏、その奥に客殿となっていて、境内左と本堂裏が墓地になっています。
本堂左手前に水桶置場があり、桶置場の裏に石造りの立派なお堂(萬霊供養の?)が建っています。その奥が鉄扉を持った西出入り口ですが、出たところに地蔵を安置した小さな堂宇があります。
六地蔵は水桶置場の手前に青面金剛庚申塔、小堂宇、三界萬霊塔と並んで墓を背にし参道に向かって建っています。平成2年に童子供養のために造立されたようです。
像容は左から柄香炉、宝珠に施無畏印、合掌、幢幡、数珠、宝珠に錫杖です。像高は蓮台込みで76cm。やや目尻の下り加減で、口の小さな幼顔のお地蔵さんです。耳朶の造りは近くの観音寺の六地蔵と異なり真平に作られています。
西出口の堂宇に地蔵立像の両脇に、船形光背に浮き彫りされた石仏が二体祀られています。一体は胸前に蓮華?を持っていたり、飾り物の様子から観音像のように見えます。もう一体は石像の溶解が激しく姿を想像することができません。(写真)
駒形石版に浮き彫りされた青面金剛庚申塔は「享保六(1721)年」に建造されたと言います。
古い石仏や石塔に囲まれて六地蔵は新入りで遠慮がちに見えなくもありません。
堂宇や石仏の周りに短く茎を切りそろえた植物を植えたゴム鉢がたくさん並んでいました。暖かくなったらどんな花を咲かせるのか、楽しみですが。 (2018.02)

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