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不思議な名前の六地蔵は合羽を脱いで雨屋の中に

妙亀山 総泉寺 板橋区小豆沢3-7-9

都営地下鉄三田線・志村坂上駅に近く、中山道に面した曹洞宗のお寺です。中山道から急坂を登るとすぐ左手が「妙亀山」の額が上がった山門です。
もとは浅草橋場にあったので、能「隅田川」でも知られる梅若伝説の梅若丸の母・妙亀尼の草庵が始まりだと伝えられており、境内や本堂の回廊などに亀の像が見られます。
訪れた時は本堂の大改装中で、境内はあちこちに柵囲いがしてあり、工事運搬用の鉄板が一面に敷かれていました。
と言う訳で本堂脇にある六地蔵を始め3体の石仏、1体の金銅観音坐像も埃除けの長合羽にすっぽり覆われていて、見えるのは顔の部分だけです。
台座の正面にはそれぞれの地蔵菩薩の名前が刻まれていました。供養花で読み取りにくかったのですが、左から「天月地蔵菩薩」「天福地蔵菩薩」「天華地蔵菩薩」「枳理地蔵菩薩」「晝衣地蔵菩薩」「黒衣地蔵菩薩」となっています。以前に一度、葛飾の安福寺で出会った名前ですが、「とげぬき地蔵」で伝わる「黒衣地蔵菩薩」の名前以外はよくわかりません。
奉造は「享保10(1725)年〜12年」のようで、台石側面には「講中三十二人」と見えます。
工事も終わって、埃除けの長合羽がとれたころと思い再訪してみました。
六地蔵の長合羽は外されていましたが、想像以上に損傷が激しく、特に左端の地蔵の胸のあたりが崩れていて、結ぶ印も持物もわかりませんでした。像容は左から?、宝蓋、幢幡、香炉、宝珠に錫杖、合掌です。
像高は55cmの、お寺の規模からすれば小さな地蔵像です。簡単なつくりの雨屋に入れてもらっていました。
本堂はまだ改修中で、山門右手が仮本堂となっているようです。 (2016.03)(2018.10)

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