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二石板・丸彫・鋳造、三組の六地蔵

雙林山月輪院 延命寺 板橋区中台3-22-18

真言宗のお寺です。近くの志村にも同名の延命寺があるので中台延命寺と呼ばれています。
地下鉄三田線・志村3丁目駅と東武東上線・上板橋駅の中間にあります。中台3丁目のバス停から十数棟からなる多棟型大規模分譲マンション群を南に抜け、女子高校と小学校の間を右に入って坂を登りきったところに山門があります。
山門の右手は幼稚園になっていて、左の土塀の向うが墓地になっています。正面奥に本堂、右に庫裏兼事務所があります。
墓地へは左の土塀の切れたところに反対向きの石段を登っていきます。途中、踊り場があってその奥を右に階段を上がると墓地です。
踊り場の左に20基ばかりの石仏や石塔が並んでおり、右奥には広い台石の上に無縁仏を集めた無縁塔が祀られています。
左の石仏群の中に二石浮彫六地蔵と丸彫六地蔵があります。反対側の無縁塔の最上段に鋳造の六地蔵が祀られています。
一石に三態を浮彫にした六地蔵はW55cm、H55cm、D23cmの大きさの石板二基が石の台座に乗せられています。左の台石の銘に「天保(1830-1844)」の年号がかろうじて読み取れます。
像容は全て円光背を持った立像で、左の石板が幢幡、合掌、宝珠に錫杖の三態、右の石板には柄香炉、数珠(蓮華?)、宝蓋の三態が浮彫されています。
丸彫り立像の六地蔵は中央に一回り大きな地蔵菩薩を挟んで3体づつ並んでいます。六地蔵の台石には地蔵名と願主の名前などの銘がありますが年号らしきものは読み取れません。中央の地蔵の台石にも銘があるようですが読めません。
像容と名前は左から金剛願(柄香炉)、放光正(宝珠に錫杖)、金剛幢(幢幡)、金剛悲(宝蓋)、金剛宝(合掌)、預天賀(数珠)です。像高は六地蔵が80cm、中央が110cm。
鋳造の六地蔵も中央に大きな地蔵菩薩が建っています。台座裏の銘板によれば「無縁塔並延命地蔵尊」として「昭和50年」に個人の奉納によるものです。
像容は円光背を持つ地蔵立像で、左から柄香炉、数珠、合掌、中央が宝珠に錫杖で、その右に幢幡、宝珠に施無畏印、宝珠に錫杖が並んでいます。六地蔵の像高は約115cmです。
二石六地蔵と丸彫六地蔵は先人のレポートで知っていたのですが、鋳造の六地蔵は想定外でした。 (2016.11)

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