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駒形の一石二段六地蔵塔

中尾観音堂 板橋区徳丸2-20-10

以前は福壽山慈眼院という真言宗のお寺だったそうです。東武東上線・東武練馬駅の北、都立板橋有徳高校の隣に位置します。
東、西から墓地に入れますが、西側の石段を登るのが正面のようです。石段右手に新しく建てられた「中尾観音堂」の石柱が建ち、正面にお堂があります。
石柱の右脇にある雨屋の中に船形地蔵立像、一石六地蔵塔、船形聖観音立像、船形地蔵立像、丸彫り地蔵立像が並んで納められています。
一石六地蔵塔は高さ105cm、幅40cm、厚さ20cmの石板で、駒形二段六地蔵になっていて像高30cmの地蔵立像が横に三態、上下二段に浮き彫りされています。
像容は上左から宝珠に施無畏印、如意?、宝珠?、下左から宝珠に錫杖、数珠、合掌の姿です。雲形蓮台には上右から「一、二、三」「四、五、六」と数字が刻まれています。
石塔側面の銘は読み取れなかったのですが、資料によれば「宝永二(1705)年」に建造されたようです。
左の船形地蔵立像には「奉供養地蔵尊」「元文元年(1736)丙辰十一月」「武州豊嶋郡徳丸村中尾道 講中拾四人 願主◯◯」の銘があります。
他の石仏も「寛文」「延宝」など1600年末の年号が刻まれたものがあります。
本堂左手の雨屋の中にも四基の庚申塔が祀られています。こちらも「宝永」「享保」などの建造年号がみられます。
狭く小さな墓地ですが、300年も前に造られた石塔が九基も保存されていました。 (2016.12)

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