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船形と丸彫の二組の六地蔵

延命寺地蔵堂 板橋区志村2-5

地下鉄三田線・志村坂上駅から<城山通り>を西に行き、志村2丁目交差点手前の道を北に入ると地蔵堂があります。志村延命寺と城山通りを挟んで反対側にあたります。
石柱門を入ると正面左寄りに地蔵堂が立っています。右から奥が墓地となっています。
地蔵堂の右、墓地道に沿ってたくさんの石仏が並んでいます。手前から小さな船形地蔵が3体、大きな船形地蔵が1対、続いて船形六地蔵、丸彫り六地蔵、さらに船形地蔵が2体に石板浮彫地蔵1体と丸彫り地蔵2体で、合計21体です。
船形六地蔵は高さ60cmで、左端の宝蓋を持つ地蔵の光背には「雪?童子 文久2(1862)年」との銘が読み取れます。他にも「恵法童女 万延元(1860)年」の銘があります。
像容は左から宝蓋、幢幡、柄香炉、宝珠に錫杖、数珠、香炉(薬壷)?となっています。
上の写真のように長頭系の骨格に独特の垂れ下がった大きな耳が彫りの特徴です。また石彫りにしては持物を持つ指の表情が細やかです。
この宝蓋には「卍」がしるされています。右端の地蔵の持物は香炉とも薬壷とも見えます。しかし地蔵の持物に薬壷は?。
丸彫り六地蔵は像高55cmで、像容は宝珠に錫杖、幢幡、宝蓋、香炉、合掌、如意?です。頭部は全て欠損していて、大胆な方法で新しい丸い石を乗せ補修しています。
台石にはそれぞれに銘があったはずですが、風化が激しくほとんど読み取ることができません。わずかに左から2番目の台石に「武州豊島郡志村 念仏講中 願主??」とありましたが、建造年は判りません。
墓道を挟んだ反対側には正面の弘法大師坐像を囲んでたくさんの石仏が安置された一角があります。大師坐像の左には13体の石仏が一列に並んでいます。13体を支える大きな石台には「十三佛建立 諸願成就 享和2(1802)年」と銘があります。
この地蔵堂が志村延命寺とどういう関係にあるのかよく判りません。少し離れた境外墓でしょうか。 (2016.11)

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