image

少し硬めですが、しっかり彫り出されています

薬王山蓮華院 西光寺 江戸川区南篠崎町1-1-24

真言宗のお寺。江戸川から旧江戸川に沿うようにして走る篠崎街道を何本かの京成バスの路線が通っています。上鎌田バス停が最寄駅です。
入り口は篠崎街道に面しています。参道の左は墓地になっています。右には駐車場があります。石柱門の左手前に、墓地を背に二体の大きな石造坐像が祀られています。
山門内は正面に本堂、左に庫裏、手前に水屋と萬霊塔、本堂右に墓地、手前に薬師堂、その手前に鐘楼が建っています。鐘楼の右手から山門までにも墓地があり、境内のあちこちに分散されています。
一石六地蔵は鐘楼裏の歴代住職の墓の前にありました。造年は判りませんが、古いものではなさそうです。
天地65cm、左右140cm、厚さ30cmの石をくり抜いて、一つの蓮台に二体の地蔵を載せ浮彫のようにはめ込んであるように見えます。像高30cmの小さな地蔵ですが、しっかり彫り出されています。像容は柄香炉、宝珠に施無畏印、合掌、幢幡、宝珠に錫杖、数珠です。
円光背を戴いた地蔵が一つの蓮台に二体ずつ乗った造りや童地蔵のような地蔵の姿など、近くの安養寺の一石六地蔵と全体の造りが大変よく似ています。ただ、こちらの方が彫りがやや硬いように思えますが、同じ石工によるものでしょうか。(東瑞江の安養寺のものは平成19年建造)
ここには本堂右手前に大きなガラスケースに入った石造線刻地蔵菩薩立像碑があります。江戸川区教育委員会の説明文には「磨かれた石の表面に、描線部分を残して他を彫り込む陽刻浮き彫りの技法で、美しい地蔵菩薩が描かれています。背面の署名から、天明年間(1781-1788)頃の造立と推定されます。」とあります。陽刻の線刻地蔵菩薩碑は都内でただ一つの例だとか。 (2017.11)

六地蔵巡りに戻る