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2体の頭部が失われたのが残念です

南栄山清光院 文京区小日向2-17-2

臨済宗のお寺。江戸川橋から大曲にかけて神田川の流れに沿うようにお寺が並んでいます。そのうちの一つです。
道路に面しているのは石柱も何もない、中央に石段を刻んだ狭い参道だけなので、うっかり通り過ごしそうです。
普請中の庫裏?を右に入ると六地蔵があります。いつの時代の建立かわかりませんが、かなり傷みが激しく、どの像も首の部分が修理されています。
台座や蓮台は同じなのですが、2躰は頭部が小さく他の4躰と異なっています。 (2015.11)

別稿掲載の「終日のたり・近隣散歩の実り」(坂道)の取材の近くにあるので、再訪してみました。
六地蔵の像容は左から宝蓋、宝珠に錫杖、蓮華、幢幡、合掌、柄香炉で、首の後ろにはかなりな高さの僧綱襟が見えます。
首の部分で折れてしまったらしく、4体は頭部を繋ぎ修復してあり、2体は失われた頭部に小さな頭部を作り置いてあります。像高は60cmです。
台石の各正面には「信女」「信士」「童子」などの戒名が読み取れ、二十数名の死者の供養のための六地蔵と思われます。
合掌地蔵の台石の右側面と裏面全面の銘には「維時宝暦四(星舎)」「甲戌・・・」「供養信心深(哉)(顕)尊像安置當山(伸首)彫刻六道能化」などの文字が見え、奉造されたのは宝暦四(1754)年頃のようです。
頭部破損は残念ですが、造りはしっかりしています。写真右上は合掌地蔵の端整な顔だち。右下は蓮華持ち地蔵。後頭部を覆う高い僧綱襟が造られています。
(2022.03:再訪)
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