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鷲谷山常楽院 真福寺 足立区梅田1-1-23

荒川に沿って走る首都高速中央環状線が日光街道とクロスする千住新橋北詰にある真言宗のお寺です。
石柱門を入ると立派な山門があり、潜ると正面が本堂です。山門の右手には古い三つの庚申碑が祀られています。
本堂の右には庫裏、左手に休息所があり、その裏が墓地となります。六地蔵は本堂左手前、休息所の前に安置されています。
高さ80cm、幅32cmのやや細身の船形光背に浮き彫りされた立像です。像容は左から幢幡、合掌、宝珠、柄香炉、数珠、宝珠・錫杖となっています。
六体の光背には左右に「知徳童子 延享◯年◯月◯日」「清蓮童女 天保◯年◯月◯日」などと記されています。裏から見て右の二体の裏にもそれぞれ八人の童子、童女の名前と年月日が刻まれています。他の四体にも同様に記されていたかどうかはわかりませんが、亡くなった子供を供養するために建造されたものと思われます。
年代は判っているだけでも「享保(1716〜)」から「天保(1830〜)」まで100年以上の幅があり、しかも少なくとも28人に及ぶ子供の命日だとすれば、どういう謂われの供養なのか推測がつきません。
彫り方で注目されるのは両手で宝珠を持つ地蔵と柄香炉を持つ地蔵です。大きな宝珠は底が布で包まれ受けている両手が見えません。小さな柄香炉の柄を持つ手は、握りしめないで挟み込んでいます。
高速道路の高架と大街道が交わる慌ただしい場所にあるお寺ですが、大木の木陰に安置された大変雰囲気のある六地蔵さんでした。 (2016.10)

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