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白黒の世界に緑が加わった六地蔵

岸養山吉祥院 安養寺 武蔵野市吉祥寺東町1-1-21

JR吉祥寺駅の南、4軒のお寺が集まっているので四軒寺と呼ばれる所にある真言宗のお寺。他の三ヶ寺とは通りを隔てた別区画に武蔵野八幡宮とともに建っています。
六地蔵は参道を入って朱塗りの山門の手前右側でコンクリート壁を背に参詣者を出迎えます。
法衣の前が損傷していたり、首を修復したものが見受けられ、持物を見定め難くなっています。
台石には文字が陰刻されていたようですが、わずかに左端の台石中央上に「世話(人?)」が読めるだけで、下の数名の名前の部分が崩れ落ちています。他の台石にも薄っすらと文字らしきものが見えますが、読み取ることはできません。
像容は左から合掌、幢幡?、数珠、柄香炉、宝珠に錫杖、如意(宝蓋)?となっています。
白い前垂れが秋の陽射しを浴びていました。白黒の世界に供えられた一本のピンクのカーネーションが強く目に止まりました。山門の外に祀られている六地蔵は比較的珍しい方です。
参道の六地蔵の反対側には駒形の石に文字のみ陰刻された「寛文五(1665)年」建造の「庚辛(庚申)供養塔」が保存されています。吉祥寺新田開発の関係者名が刻まれていて、女性が十数人含まれているようです。
その右には青面金剛に三猿を浮彫にした「庚申供養塔」も建っていて、「奉供養二世安楽 武州多摩郡吉祥寺新田村 (七名の名前) 享保四(1719)年巳亥?月吉日」と刻まれています。
境内は山門右に鐘楼、正面に飾りのないコンクリート造りの本堂とその右に庫裏ですが、墓地は境内の右の通りの突き当たりにある境外墓地になっています。
再訪して驚いたのは、前回白黒の世界だったのが、コンクリート壁にも、六地蔵にも、台石にも、かなりの苔が付いていました。今年の異常気象の影響でしょうか。
中央の瓶にはカーネーションの代わりに一本の曼珠沙華が供えられていました。
六地蔵の持物、左から二番目は幢幡でした。右端は如意ではなく宝蓋のようです。 (2015.10)(2018.09)

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