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十体地蔵の中に六地蔵も

金森山宗保院  町田市原町田1-8-13

JR横浜線・町田駅の南東300m、線路を挟んで市立中央図書館の対面にあります。曹洞宗のお寺です。
院号と山号が刻された左右の石柱が道路に面し、仁王門(総門)までには多少、アプローチがあり、参道左右は綺麗な竹垣に囲まれた植え込みが続きます。
右植え込みの右手には十三重の石塔と鐘楼が見えます。
門を入ると客殿、庫裏、本堂が右側に、横浜線の線路に沿うように並び、境内左(南側)はかなりな広さの墓地です。
六地蔵は仁王門の外、右側の一角に安置されています。
前列に新しい六地蔵、その後ろに十体の地蔵が五体二列に並んでいます。さらに十体地蔵の前に小さな石仏が五体置かれています。
十体の地蔵(六地蔵、子育地蔵、イボ取り地蔵など)は横浜線開通までは地蔵堂の中に納められていたのだそうですが、総門とともに移転した時、現在の形になったようです。
十体のうち後列中央は「萬願地蔵大菩薩」の石柱に載った坐姿円光背地蔵です。持物は欠損ではっきりしませんが宝珠に錫杖持ちと思われます。これが主尊のようです。
その左に胸に小さな地蔵像を抱いた地蔵が立ち、右に宝珠に錫杖姿の地蔵が二体並んでいます。
前の五体と抱き地蔵の左の一体が地蔵堂にいた六地蔵ではないかと思われます。
六地蔵の像容は後ろの一体が如意、前左から幢幡、両手に香炉、数珠、宝珠に錫杖、合掌です。
像高は六地蔵と後列右の二体が84cm、主尊が60cm、抱き地蔵が100cmです。
主尊の石柱台の銘(一部しか読めませんでした)によれば「住山五十年記念 萬願地蔵大菩薩 當山二十八代佛戒大(應)大和尚」「・・・宗保二十八世明治三年・・・」と見えましたので、建造は明治三年以降だと思われます。
後列右の二体を除いて八体の地蔵は、石質、造りが同じように見えますので同時期のものと思われます。が、さて、どれが子育て地蔵で、イボ取り地蔵なのでしょうか?
前列の新しい六地蔵は何年の奉造かはわかりません。像高は63cmで、像容と地蔵名は左から経巻(法印)、宝珠に錫杖(鶏亀)、宝珠に施無畏印(陀羅尼)、柄香炉(法性)、合掌(宝性)、数珠(地持)です。
彫りは粗めで、像高の割には手足、持物が大きめでしっかりした造りになっています。丸顔、切れ長目、おちょぼ口。
新、旧の地蔵を比べると、古い地蔵は個性的な顔立ちが多く、ここでもおじさん顔ですが、新しい地蔵はほとんどが子供顔です。
十体の地蔵と新六地蔵の間に小さな地蔵とともに坐姿立て膝の不思議な石像がありました。頭部や右足、左手首は修復されています。右手は? 膝の間の物は?  (2020.02)

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