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境外墓地への道筋に長頭・円光背の六地蔵

瑞雲山 海岸寺  小平市御幸町318

臨済宗のお寺です。
JR中央線・武蔵小金井駅の北2km、小金井街道と五日市街道の交差点の一角です。
敷地の南を走る玉川上水と五日市街道から石畳で山門に通じています。
山門の奥に本堂、庫裏などの建物が横に並んでいます。
墓地は本堂の裏、北側一区画離れた境外墓地となっています。
山門への石畳の左に樹木に覆われた道があり、墓地へと続いています。
六地蔵はその道の右手、境内に背を向けて馬頭観世音の石塔ととも墓参者を迎えています。(本堂前からこの道に出て墓地へ向かうと六地蔵には会えません)
像高60cmの、円光背を持つ立像です。長頭でやや寸詰まりのような体型です。
蓮台と台石の一部は新調されていますが、地蔵は柄香炉持ち地蔵の背に刻まれた銘によれば、明治三十三年の奉造です。
他の地蔵の背にも奉造に関わった世話人や檀家の名前などが刻まれています。台石に刻まれることが多いのですが、地蔵本体に刻まれるのは珍しいですね。
持物(数珠)など全体に肉厚の彫りですが、宝蓋(左)と幢幡の飾りの部分は浅い彫りになっています。
像容は左から数珠、柄香炉、錫杖、合掌、宝蓋、幢幡ですが、宝珠なしの錫杖だけの姿も珍しいです。
墓地に入って東口の一角、三界萬霊塔のそばに損傷の激しい一組の六地蔵が残されていました。頭部のあるのは二体だけでした。
像容は宝珠に錫杖、幢幡?、宝珠に錫杖、如意?、合掌、柄香炉です。頭部の欠けた地蔵には丸い石が乗せられていました。
茅葺き、ケヤキ造りの山門は鎌倉様式と言われるそうで、市の指定文化財になっています。
所在地が小金井公園、超有名ゴルフ場のすぐそばで、緑濃い環境の中のお寺でした。
墓地内の細い参道を近所の人が自転車で行き交うのには、ちょっとビックリです。 (2019.12)

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