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水子地蔵と六地蔵が揃って納まっています

玉應山 福生院  福生市熊川716

臨済宗のお寺。
JR五日市線・熊川駅を出て、奥多摩街道を南へ400mほど行ったところにあります。
山門を入ると正面に観音堂、右手に本堂と庫裏、境内の左半分から観音堂、本堂裏手まで墓地が広がっています。
六地蔵は観音堂と本堂の間、墓地区画の入り口に水子地蔵立像や坐姿地蔵、庚申塔などとともに雨屋の中に納まっています。
像容と台石の地蔵名は左から数珠(大堅固)、合掌(大清浄)、幢幡(清浄無垢)、柄香炉(大光明)、宝珠に施無畏印(大徳清浄)、宝珠に錫杖(大定智悲)となっています。最後の地蔵名「大定智悲」地蔵は「大定智慧」地蔵ではないかと思うのですが。
像高は60cmです。童顔でやや細身の造りです。足は踵が高く爪先立ちのように見えます。
水子地蔵は像高80cmと少し大きく作られています。赤子の一人は左手に抱かれ、もう一人は左足に添って合掌しています。
石質も造りも同じに見えますので、六地蔵とともに造立されたと思われます。
雨屋の石壁に嵌められた銘板には「昭和53年2月15日檀徒一同建之」とありますが、雨屋の建造なのか、地蔵の造立なのか、両方なのかわかりません。
他の坐姿地蔵や庚申塔などは明らかに時代が異なるものです。
観音堂の左手前の、墓地との仕切り壁の前に古そうな板碑があるのに気付きました。
緑っぽい石で作られた駒形板碑で、高さ60cm、幅25cmで、裏は浅い船底型の極薄板です。
瑞雲に乗った主尊(釈迦如来)の種字と紀年銘が刻まれています。説明板によれば「嘉元四(1306)年六月日」に作られた供養塔婆だそうです。鎌倉時代の板碑に出会ったことはありませんでした。 (2020.10)

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