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自然な落ち着きがある姿勢の地蔵です

芳林山 梅岩寺 東村山市久米川町5-24-6

西武新宿線・東村山駅の北東1500mのところにある曹洞宗のお寺です。府中街道・久米川5丁目三叉路の近くです。
山門を入ると本堂までの参道の左右に、文政七(1824)年に奉納された新四国石仏が参詣者を出迎えます。八十八体が完全な形で残っている珍しいものです。
右手にある鐘楼の前には新しく奉納された十三仏が祀られています。
六地蔵は新四国石仏を過ぎた参道左側に墓地を背にして祀られています。
石組三段の基壇の上に六体共通の一枚台石、その上に個別の石柱台、蓮台、地蔵像が乗っています。 小さな新四国石仏に迎えられた後は、六地蔵を見上げて本堂に向かうことになります。
石柱台の正面には地蔵名が刻まれています。像容とともに左から地持地蔵=柄香炉、陀羅尼地蔵=数珠、法性地蔵=合掌、法印地蔵=幢幡、鶏亀地蔵=宝珠に施無畏印、宝性地蔵=宝珠に錫杖となっています。
地蔵名は曹洞宗(禅宗)の寺院では「法印地蔵→宝印地蔵」「鶏亀地蔵→鶏兜地蔵」「宝性地蔵→宝陵地蔵」が多いように思います。
像高65cmの円光背地蔵立像です。
切れ長の目を伏せた静かな表情です。法衣の襞の線も柔らかです。やや太めの指ですが事物の持ち方に表情があります。
像全体に余分な力を感じさせない自然な落ち着きがある姿勢の地蔵です。
地持地蔵台石の側面に「當山十六世/大年益絽師代/所澤/石工 小泉伊太郎/彫刻 小泉彌作/大徹?書」の銘が見えました。建造年は見当たりませんでした。
ただ、六地蔵の横に石碑があり「○○居士/○○大姉/為○○家先祖累代菩提之/昭和十三年九月二日」と刻まれていました。六地蔵の施主でしょうか。
(2020.08)

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