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印相、持物が珍しい丸彫六地蔵と幼児供養の六地蔵石幢

秋津地蔵堂(地蔵堂共同墓地) 東村山市秋津町3-35

西武新宿線・東村山駅の南東1500mの所にある共同墓地です。石柱門の正面にお堂(地蔵堂)があり、地蔵堂を取り囲む敷地の北、西、南の三方が墓地です。
六地蔵は石柱門を入ったすぐ右に丸彫六地蔵と六地蔵石幢があり、それぞれの雨屋の中に納まっています。
丸彫六地蔵は像高93cmもある大きめの造りです。像容が変わっていて、これまでに見たことがない持物と印相の組み合わせです。
手首から破損しているものもあり、はっきりしませんが、左から与願印に施無畏印、(宝珠)に施無畏印、(宝珠)に与願印、合掌、(錫杖)に引接印、宝珠に上品印だと見ました。(写真横、上から3枚)
石柱台には地蔵名が刻まれていて、左から金剛幢地蔵、金剛寶地蔵、放光王地蔵、金剛願地蔵、金剛悲地蔵、預天賀地蔵となっています。
頭部は四角い造りで、しっかりした男性顔、耳はいわゆる福耳ではなく普通の大きさです。僧綱襟の法衣です。
六地蔵石幢は幅40cm、奥行30cm、高さ15cmの台座の上に幢身62cmの石幢が載っています。 石幢は正六角形ではなく、幅27cm、奥行18cmの扁平六角形です。
三面の銘文には「幻光童尼/宝暦十庚辰(1760)二月三日」、「覚應童子/明和三丙戌(1766)七月八日」「施主 角田源??/二月七日」とあり、二人の子供の供養のため造立されたようです。
他の三面には「十二月九日」「八月一日」「二月二十五日」と日付だけが刻まれていました。
風化で像容がはっきりしませんが、正面左から両手で香炉、両手で数珠、宝珠に施無畏印(写真上左)、裏面左から両手で宝珠、合掌、如意(写真上右)のようです。像高は30cmです。
石柱門の表札には「真言宗豊山派/地蔵堂墓地」とあります。ここに墓地を持つのは所沢市北秋津の持明院の檀家なのだそうです。
ここでもまた道成寺の徳川将軍家墓所に献納されていたと思われる石灯籠一対を見つけました。
どちらも「奉献石灯籠壱兩基/増上寺/桂昌院殿 尊前/宝永二乙酉 (1705)年六月二十二日」とありました。
献納者は「従四位下大久保某」「従五位下松平某」くらいしか読めませんでした。
東村山で徳蔵寺についで2例目です。 (2020.10)

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