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聳え立つ巨大六地蔵

佛法山徳善院 興林寺  八王子市子安町4-4-18

JR八王子駅の西、すぐのところにある浄土宗のお寺です。 南口を出て野猿街道を西に。JR東日本八王子支社の街道を挟んだ対面です。
石柱門を入ると正面に本堂、左に鐘楼、墓地はその左、敷地の半分を占めます。
六地蔵は門を入ると本堂前、参道左に聳え立つように祀られています。
基壇の上に40cmの蓮台、その上に、正確には測れませんでしたが約185cmの六地蔵、中央に頭一つ大きな主尊の阿弥陀如来が並んでいます。
像容と地蔵名は宝珠に金属錫杖(大定智慧)、宝珠に与願印(大徳清浄)、宝珠に如意(大光明)、上品下生印(阿弥陀如来)、宝珠に梵経(清浄無垢)、宝珠に施無畏印(大清浄)、宝珠に経巻(大堅固)となっていて、地蔵は6体とも左手に宝珠を持っています。
六地蔵の名前、持物と印相は「大日経疏」の儀軌(手本)に沿ったものです。
地蔵名札は上がっていましたが、建造年は不明です。
それにしてもこれほど大きな六地蔵は荒川区西尾久の地蔵寺で見て以来です。もっとも地蔵寺の六地蔵は鋳造地蔵で、石造六地蔵では最大級でしょう。
巨大六地蔵に圧倒されましたが、墓地も覗いて見ました。すると石塔、石仏が集められた一角に坐姿地蔵を主尊とする古い古い六地蔵を見つけました。
風化と苔と損傷で像容ははっきりしません。が、一応左から宝珠に錫杖、柄香炉?、幢幡(如意)?、宝珠に錫杖坐姿地蔵、数珠、両手で宝珠?、合掌のようです。六地蔵は像高58cm、坐姿地蔵は70cmです。
左端のもう一つの宝珠に錫杖地蔵は73cmあり、六地蔵とは別物です。
建造年の手がかりはまったくつかめませんでした。
巨大六地蔵の手前の小さなお堂の中に板碑が納まっていました。上には大きく連座に乗る阿弥陀如来の梵字が刻まれていて、下には小さな文字が刻まれています。資料によれば「弘安六年(1283)」建立のもののようです。
コロナ禍の中、訪問しましたが、こんな巨大六地蔵に会えるとは思いませんでした。 (2020.11)

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