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「光味地蔵」?。一体ごとに地蔵名と持物を刻んだ台石

長谷山聖天院 西光寺 調布市上石原1-28-3

京王線・西調布駅の北、すぐのところにある天台宗のお寺。横を中央自動車道が走り、調布インターチェンジで国道20号線に入ります。京王線と20号線の中間、都道119号線に面しています。
近藤勇が上石原若宮八幡宮に戦勝祈願した時の休憩所だったので、石柱門左に近藤勇の坐像が建てられています。
北を走る都道に面した石柱門、山門、仁王門、観音堂と続き、右手が本堂となっています。墓地は境内の南端、観音堂の裏にあります。
主尊を中央に置いた六地蔵は山門を入った左に観音立像と六十六部廻国石塔(手前)、舟形地蔵菩薩立像と祈願成就石塔(奥)とともにそれぞれの雨屋の中に祀られていました。
主尊の宝珠に錫杖の地蔵の台石には「奉供養 為二世安楽也」「元文三(1738)年」などの銘があり、六地蔵の台石にはそれぞれ地蔵名と持物が刻まれています。
六地蔵の台石の一つは他の五つと異なり、正面に「奉造立六地蔵菩薩 不休息地蔵 修羅道持香呂 念仏講中」とあり、側面には「武州多摩郡府中領上石原村 願主 宝暦四(1754)甲戌天十一月吉日」と地蔵名と持物以外に造立年や願主(上石原村念仏講中)まで刻まれていました。
左から像容と台石の銘は合掌=破勝地蔵:天道持無合掌、幢幡=諸龍地蔵:人道持幡、宝珠=不休息地蔵:修羅道持香呂、宝蓋=護讃地蔵:畜生道持念珠、柄香炉=弁尼地蔵:餓鬼道持如意、宝珠に錫杖=光味地蔵:地獄道持錫杖となっています。実際の地蔵の姿と銘の持物が半分の三つが合いません。
銘にある念珠と如意の地蔵はいませんし、逆に宝珠、宝蓋は銘の持物にはありません。地蔵像と台石は別物?
像高は主尊が75cm、六地蔵が70cmです。
それにしても「光味地蔵」と言うのは初めての地蔵名です。実際に出会ったことはありませんし、資料でも見たことはありませんでした。 (2018.11)

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