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大変珍しい五輪塔光背の六地蔵

延命山  福徳寺 あきる野市油平246

JR五日市線・秋川駅の南約600mにある臨済宗のお寺です。
駅から滝山街道に出て南へ行くと睦橋通りと交差する油平交差点を越え、油平駐在所前信号のすぐ先です。
山門、本堂、墓地だけの小さなお寺です。
山門の右手に雨屋がありその中に中央の丸彫地蔵立像を主尊に左右三体ずつの六地蔵が祀られています。
六地蔵は五輪塔をかたどった光背を背に浮彫されています。二つの基壇、蓮の花を浮彫した石柱台の上に載っています。
六体それぞれに損傷、欠損があり、また風化で彫りが浅くなってしまったりで、像容がはっきりしません。
無理やり見れば顔の表情が何とか浮かび上がりそうな地蔵が一体ありました。(写真右)
一応、左から合掌、柄のあるもの、宝珠に錫杖、?、如意?、両手で香炉のように見えます。
六地蔵は像高66cmです。主尊の宝珠に錫杖の地蔵は115cmあります。
側に立っている説明板によれば、主尊(中尊)は「元禄十四年(1701)」、六地蔵は「安永七年(1778)」に建造されたそうです。
「五輪塔の形をした光背の地蔵菩薩は市内唯一で、しかも六体揃っているのは他の地域でも見ることができない」貴重な文化財だそうです。
六地蔵雨屋の横に小さな雨屋がありその中に不思議な石像が安置されていました。
立膝の坐姿で右手は頬杖をつき、左手に幼子を抱えています。顎は欠損していますが豊かな髪を結い、肌けた胸から乳房がのぞき、どう見ても女性です。
もしかして、三途川で亡者の衣服を剥ぎ取る老婆=奪衣婆(だつえば)ではないでしょうか? 話には聞いていましたが、実際に出会うのは初めてです。
恐ろしや。隣の六地蔵さま、しっかり守ってください。 (2020.02)

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